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第2章 テニス海路の交差点となる【1929(昭和4)年~1936(昭和11)年

第2章 テニス海路の交差点となる【1929(昭和4)年~1936(昭和11)年】

1 フランスからの新風
コシェ、ブルニヨンらを迎えて
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1929年、米国からデ杯奪還して3年連続優勝中のフランスから立役者のアンリ・コシェ、ジャック・ブルニヨン、そして新人のピエール・ランドリーとレイモンド・ロデルを迎えることになった日本庭球協会は、東京三年町に4000人収容の木造スタンドを備えた特設コートを造成しました。

10月16日、秩父宮、同妃殿下をはじめとする各殿下ご臨席のもと、3日間にわたる公開試合が行われます。

さらに、関西(甲子園新設スタンド付コート)、名古屋(七本松コート)でフランス選手と対戦したのは、熊谷、清水、福田、原田(武)、そして青木、鴨打、山岸、志村、佐藤(次)、原田(直)、牧野、羽田、布井、佐藤(俵)、秋元、川地、藤倉(太)、矢崎、伊藤、上原でした。

とくにコシェ(世界1位)のグリップ、オールラウンドな組み立て、ブルニヨンとのダブルスのうま味などは、体格的にも変わらない日本選手、なかでも佐藤次郎に強い影響を与えました。

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コシェ/ブルニヨン(右側) 対 熊谷/原田の熱戦のもよう

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左から、R.ロデル、J.ブルニヨン、P.ランドリー、H.コシェ

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コシェ(左)、ブルニヨンのダブルス

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左から、ブルニヨン、熊谷、コシェ、原田

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ロデルと試合後の握手をする佐藤次郎
2 世界トップレベルの女流選手
ウィルス・ムーディー、ラウンドらが見本を示す
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1931年11月、米国のヘレン・ウィリス・ムーディー夫人(世界1位)がフィリピン旅行の往復途次に来日してプレーを披露しました。彼女は冷静な試合運びでミス・ポ-カーフェースと呼ばれたジュニア時代から、全米、ウィンブルドン、全仏で優勝を重ねています。

また1933年11月には、日本庭球協会の招きで、英国のドロシー・E・ラウンド(世界3位)、メリー・ヒーリーが米国より太平洋経由での帰途に来日し、東京大森コート並びに甲子園コートで歓迎エキシビションマッチを行いました。

ラウンドは翌1934年にウィンブルドンのシングルスおよび三木龍喜と組んだ混合ダブルス、そして1937年にもシングルスで優勝しています。

世界で活躍する女流選手との交流は、日本国内の女流選手にとって得難い経験でした。

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ウィルス・ムーディー夫人のバックハンド・ストローク

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交流試合での記念写真。左から、ラウンド、ヒーリー、林美喜子、滝口澪子、岡田早苗

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プレー中のラウンド

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プレー中のヒーリー
3 チェコのデ杯選手、全日本に参加
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1935年11月、その年6月のデ杯戦で日本を破ったチェコの選手ロデリク・メンツェルとラディスラフ・ヘヒトが来日します。両選手は初の外国人参加として第14回全日本選手権に出場し、メンツェルがシングルス、そしてヘヒトと組んだダブルスで決勝に進出しました。

ところが、デ杯雪辱を願うあまり応援が過熱して決勝戦に影響してしまいます。覇権は日本が保持しましたが、観客マナー、試合進行方法などに課題を残しました。

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左より、メンツェル夫妻とヘヒト
4 球聖チルデン、強豪バインズらを迎えた新設のスタジアム
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1936年10月、読売新聞社の招待により、世界的名選手ビル・チルデン、エルスワース・バインズ、および女子選手ジェーン・シャープを加えたプロテニス一行が来日し、新設の田園読売庭球場(田園倶楽部スタジアム・コート、のちの田園コロシアム)で妙技を披露しました。一行は、甲子園、名古屋でもエキシビションマッチを行って耳目を集め、テニスの大衆化に寄与します。

しかし当時のアマチュア資格認定は厳しく、プロ選手と対戦したり、コーチを受けることも許されませんでした。その結果、シャープの対戦相手となった岡田早苗はアマチュア資格を失います。日本初のプロ選手となると同時に、3年連続決勝進出していた全日本シングルスのタイトル獲得もあきらめざるを得なくなりました。

また、チルデンの勧誘を受けた佐藤俵太郎(元デ杯選手)も海外興行に参加することとし、日本男子初のプロ選手になりました。

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チルデンらの来日を報ずる《テニスファン》誌表紙

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バインズのプレー

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チルデンのプレー

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スタッフ役の佐藤とチルデン、バインズ。当時はエンド交代時も立ったままだった

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シャープと試合後の握手をする岡田早苗
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