禁止物質を服用しないために
薬の服用の最終的な責任は選手本人です。
誤って禁止物質を服用しないように,病院で治療のために薬の処方を受けたり,薬局で薬を購入するときには以下のことに注意しましょう。
1.病院で医師から薬を処方してもらうとき
ドーピング検査を受ける可能性があるアスリートであることを医師に伝えて,禁止物質の含まれない薬を処方してもらうようにしましょう。
これは選手の義務であることが,2015 Codeで明確にされています。
『医師に出されたから安心して飲んだら禁止薬物だった』という言い訳は通用しないということになります。
2.薬局で薬を買うとき
スポーツファーマシスト(少なくともドーピングの知識のある薬剤師)が駐在する薬局で,ドーピング検査を受ける可能性があることを伝えて,調べてもらった薬を購入しましょう。
これも選手の義務であることが,2015 Codeで明確にされています。
3.禁止薬物を調べる方法
病院では医師と,薬局では薬剤師と,処方もしくは購入予定の薬に禁止物質が含まれていないことを必ず調べるようにしましょう。また,調べた結果は印刷するなりpdfで保存するなりして,調べた証拠を必ず残すようにしましょう。ドーピング違反に問われたときに必ず役立ちます。
1)薬剤師会ドーピング防止ホットライン に問い合わせる
JADA HPに各地域の問い合わせ先が掲載されています。
2)スポーツファーマシスト に問い合わせる
JADA HPからスポーツファーマシストを検索できます。
3)Global DRO *1 で調べる
JADAのHPからアクセスできる Global DRO というサイトから,薬物が禁止物質かどうかを調べることができます。
(*1: Global DRO: The Global Drug Reference Onlineの略称であり,競技者及びサポートスタッフに対し,世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の現行の禁止表に基づき,禁止物質についての情報を提供しているサイトです。イギリス・アンチ・ドーピング機構,カナダ・スポーツにおける倫理センター,アメリカ・アンチ・ドーピング機構がパートナーシップを組んでいます。日本アンチ・ドーピング機構は,Global DROの公式ライセンスを有しています。)
4)薬剤師のためのドーピング防止ガイドブックで調べる。
日本薬剤師協会HPからpdfファイルをダウンロードできます。
薬品名だけでなく市販薬の名前で調べることができるので便利です。
その年度の禁止表国際基準に合わせて毎年改訂されています。
必ず最新のドーピング防止ガイドブックで調べるようにしてください。
◎アスリートの証明責任
病院を受診して薬を処方された場合や、薬局で薬を購入した場合には,薬を調べた内容を医師や薬剤師と確認して,必ず印刷して保存しておきましょう。スポーツファーマシストへの質問メールなどの履歴も,アスリートとして必要な手順を踏んだ証明になります。 ⇒ 証明責任はアスリート自身にあることが,2015 Codeでは明記されています。
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