■車いすテニスはシングルス決勝を行い、女子シングルスで第1シードの上地結衣が第2シードのアニク・ファンクート(オランダ)を倒し、5年ぶり5度目の優勝を飾った。
[車いすテニス女子シングルス決勝]
○上地結衣 6-2,6-2 ●アニク・ファンクート(オランダ)
■5年ぶりの優勝を決めると、上地はフーッと息を吐き出した。大きな仕事を終えた安堵感が伝わった。優勝スピーチの冒頭では「困惑している」という言葉があった。上地は「それこそ(昨年の)パラリンピック決勝のような、『本当に終わったのかな?』みたいな。今大会が思うような形でスタートできなかったこともそうですし」と「困惑」の理由を明かした。
■5月に左の手のひらに炎症が出て、全仏出場をあきらめかけた。その時点では痛みもあり、なかなか見通しが立たなかったが、どうにか舞台に立った。主治医は「驚異的な回復力」に驚いたという。車いすのセッティングはずっと模索中で、これだというところに落ち着いていない。パラリンピックで金メダルを獲得した「思い出の地」で優勝したいという思いもあったが、現状は手探り状態とあって「挑戦者のつもりで思いっきり行く」と臨んだ大会だった。
■世界ランク2位のファンクートにはクレーコート通算10勝1敗、全仏でも5勝1敗の対戦成績を残していた。「何度も対戦した相手、やることは決まってる」と無心で臨み、圧勝した。
■パラリンピックで念願の金メダルを手にしても、進化を求める気持ちは変わらない。パリ大会のあと、相手の強打に打ち負けないことなど、「全体のベースアップ」を意図してトレーニングのやり方を変えた。四大大会で10個目のシングルスタイトルとなったが、23度優勝のディーデ・デフロート(オランダ)を追ってさらにタイトルを積み重ねたい。ゴールデンスラム(四大大会+パラリンピックの5冠制覇)が懸かるウィンブルドンが次のターゲットになる。
(日本テニス協会広報部)
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