【ウィンブルドン 日本勢の１回戦展望】
■ウィンブルドン選手権はロンドン郊外のオール・イングランド・クラブで29日に幕を開ける。日本勢は男子が第５シードで世界ランキング５位の錦織圭、同90位の添田豪、予選を勝ち上がった同149位の杉田祐一と同174位の守屋宏紀の４人、女子は同57位の奈良くるみと同94位の土居美咲の二人がシングルス本戦に出場する。
■錦織は１回戦で世界ランク56位のシモーネ・ボレリ（イタリア）と対戦する。対戦成績は錦織の１勝０敗。昨年大会の３回戦で当たり、錦織は１－２から挽回、５セットで辛勝した。27日に行った会見で錦織は「（ボレリは）サーブもストロークも威力があり、芝が強いイメージがある。タフな相手だが自分のプレーを心がけたい」と話した。ドイツ・ハレで痛めた左ふくらはぎは「毎日少しずつよくなっている。多分、大丈夫」。慎重な口ぶりだが、順調に回復しているのは明らかで、この日の練習では切れのあるグラウンドストロークを連発した。本番までにできるだけ100％の状態に近づけたいところだ。
■添田は同17位のジョン・イスナー（米国）と顔を合わせる。対戦成績は添田の０勝１敗。13年の米国デルレービーチでストレートで敗れた。添田は前哨戦の英国ノッティンガムで予選３試合を勝ち抜き、本戦に出場した（１回戦敗退）。芝コートに自信を持っているだけに、持ち味を出してビッグサーバーのイスナーに食い下がりたい。
■昨年に続いて予選を突破、２年連続２度目の出場となる杉田は同111位のブラシュ・カウチチュ（スロベニア）と当たる。両者は初対戦。相手はウィンブルドンではこれまで０勝４敗で、杉田には四大大会初勝利のチャンスと言える。同じく予選を勝ち上がった守屋宏紀は第９シードのマリン・チリッチ（クロアチア）に挑む。昨年の全米を制した26歳はもちろん手強いが、守屋の積極的な展開がどれだけ相手を苦しめられるか。初対戦。
■奈良くるみは同97位のマグダ・リネッテ（ポーランド）と。対戦成績は奈良くるみの１勝０敗。この５月にマレーシア・クアラルンプールの２回戦で対戦、奈良が最終セットのタイブレークで勝っている。奈良は芝コートシーズンに入ってやや苦戦しているが、四大大会初勝利は５年前のウィンブルドン。球足の速い芝では、持ち味の速い展開を生かしやすいはずだ。
■土居美咲は世界ランク17位、20歳の新鋭エリナ・スビトリナ（ウクライナ）と２年連続１回戦で対決。昨年は土居がストレートで勝っているが、スビトリナは今季、モロッコ・マラケシュでツアー初優勝、全仏で８強入りと力をつけている。土居も５月のニュルンベルク（ドイツ）でベスト８、芝コートでも好調を維持しており、熱戦が期待できる。 （秋山 英宏）
（※世界ランキングは６月22日付け）