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全日本テニス選手権98th

  2023年10月28日(土)~11月5日(日)(予選:10月25日(水)~)

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【2022/10/27】18歳の伊藤あおいが今西美晴に競り勝ち準決勝進出

【2022/10/27】18歳の伊藤あおいが今西美晴に競り勝ち準決勝進出

[女子シングルス準々決勝]
○伊藤あおい(サリュートテニス専門学院) 7-6(3),3-6,6-3 ●今西美晴(EMシステムズ)

■18歳の伊藤が変幻自在のプレーで17年の女王・今西に競り勝った。第1セットは0-4の立ち上がり。積極的にコースを変えて攻めたが、今西の正確な返球にミスを強いられた。「セカンドセット頑張ろう」。伊藤は早々に気持ちを切り替えたという。だが、それだけではなかった。開き直ったように、プレーを変えた。自分から打っていくのをピタリとやめたのだ。この大胆な作戦変更が効いた。

■「スライス多めにやったら追いついてきて、いけるんじゃね? みたいになって」と伊藤。フォアハンドのスライスを続けたり、ネットを取ったり。意表をつくロブもあった。一見、投げやりにさえ見える、のらりくらりとしたショットの組み立てだった。それくらい大胆にギアを変えれば、相手のリズムが狂うのも道理だ。ベテランの今西も「自分のペースでやることは難しかった。ずっとモヤモヤしながら」と音を上げるほど。4-4に追いついた伊藤が、タイブレークで第1セットを奪った。次のセットは落としたが、最終セットは2-3から4ゲーム連取で締めくくった。

■大胆な戦術選択や、つかみどころのないプレーにはお手本がある。女子ツアーきっての技巧派で、単複で活躍した中華台北の謝淑薇だ。「海外の選手とかパワフルな相手に勝てるプレーを身につけたいのと、体が貧弱なので、それでも強い選手、体格のいい選手に勝てるようにと思ったら、スーウェイさんが一番うまいかなと思って」。そうして身につけたのが、この大胆さやトリッキーなプレー、そして切れ味鋭いカウンターだ。

■3回戦で第3シードの瀬間詠里花(橋本総業ホールディングス)、さらに第9シードの今西と上位シードを連破、初の4強入りだ。「最初はあまり自信がなくて、(第15)シードを守れればいいかなって、消極的だった。ベスト4に入って、周りが格上の方ばかりなので、できるだけ頑張って、対抗というか、もしよければ勝ちたいなって」。表現は独特だが、上位選手を倒す気概は十分に伝わってきた。

■今季での引退を表明、最後の公式戦シングルスとなった今西「笑って終われるのかなと思ったら、意外にそうでもなくて、悔しいとかいろんな感情が出てきてしまった。終わったなって思うし、やっぱり悲しいなと思うし。もう1日、コロシアムでシングルスを皆さんに見てもらいたかったなっていう気持ちもあった。今大会は1回戦から全部タフマッチで、乗り切ってここまでこれたことは良かったんじゃないかなと思う」

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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