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━━━━━━━━ AIG OPEN 特集増刊号 2006. 10/6 AIG VOL.7  ━━━━━━
                            
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【第5日】この日の有明は朝から強い雨が降り続いた。屋根を閉じたセンターコ
ートでは男子シングルス6試合と女子シングルス1試合が行われ、12,423人の観
客が熱戦を満喫した。その他の女子シングルスは荏原湘南スポーツセンターに会
場を移して日程を消化した。雨で日程がずれ込んだため、一部の選手は2試合を
こなす強行日程だったが、男女ともシングルスのベスト4が出そろった。日本勢
は、中村藍子が初のツアー4強入りを決めた。鈴木貴男は世界ランク1位のフェ
デラーに惜敗。杉山愛は伏兵のChan,Yung-Janに敗れ、ベスト8に終わった。
また、予選から勝ち上がった波形純理は準々決勝で涙をのんだ。
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快進撃の鈴木、王者フェデラーと大接戦!
[男子シングルス準々決勝]
○ロジャー・フェデラー 4-6,7-5,7-6(3)● 鈴木貴男

■悪天候のため屋根を閉めた有明コロシアムは、超満員の観客で熱気むんむん。
第3試合のフェデラーと鈴木の対決は、この大会でも一番の注目カードだった。
この対戦を待ち構えていた観客席の興奮は、両選手がコートに現れただけで沸点
に達した。

■王者フェデラーには昨年の全豪以来2度目の挑戦となる鈴木は、序盤からエン
ジン全開だった。リターンゲームでも果敢にネットに詰め、プレッシャーをかけ
た。その積極策が第3ゲームでいきなり結果につながり、ブレークに成功。あと
はサービスキープに集中し、そのままセットを奪った。挑戦者の鈴木にとっては、
地の利を生かした最高の出だし。鈴木も「全豪で戦ったことが自信になっていた。
すごく気持ちいい状態で、世界1位と勝負できる喜びを感じていた」と、戦闘モ
ードは最高点に達した。

■第2セットも互角の戦い。鈴木は強いサーブをコースに打ち分け、積極攻撃で
世界1位をうろたえさせた。一方のフェデラーは4ゲームをラブゲームでキープ
するなど、要所を締める集中力はさすがだった。序盤では徐行運転をしていた王
者は、すぐに本気モードにギアチェンジし、第2セットでは第12ゲームをブレー
クしてセットを奪った。

■ファイナルセットは互いにサービスキープで、タイブレークへ。最後は鈴木の
言う「(大舞台での)経験の差」が出てしまった。それにしても、鈴木のサーブ
をなかなか攻略できなかったフェデラーは、心穏やかでなかったはず。「タイブ
レーク6-1となるまで勝てるとは思わなかったよ。彼がボレーをミスしてくれ
たところで安心できた」と、苦笑いでこの熱戦を振り返った。

■鈴木は最後の最後まで世界1位を苦しめた。「ファイナルセット・タイブレー
クまでやれたことがうれしかった。自分のすべてを使い果たすつもりで向かって
いった」。大金星まであとわずかだった。

■今大会でサービスブレークを許したのは、この試合での1ゲームのみ。故障で
苦しんだ日本の元エースは「ずっと休んでいた分、日本のファンにいいパフォー
マンスを見せたかったし、まだ十分にやれるという姿を見せようとした」と力を
込めた。王者相手の素晴らしい試合内容とともに久々のツアー8強入りの結果で
最高の復活劇となった。(広報委員・フリーライター 辛仁夏)
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大迫力の強打戦を制して中村藍子がベスト4進出!
[女子シングルス準々決勝]
○中村藍子 6-1, 1-6, 7-6(4) ●ジェミー・ジャクソン(米国)

■午後1時から始まった女子シングルス2回戦、中村藍子-アナベル・メディナ
ガリゲス(スペイン)戦は、第1セット、中村が5-2とリードした場面で相手
が左太ももを痛め、途中棄権。勝ち上がるためには1日に2試合を戦わなくては
ならない中村にとって、体力を温存する意味でも幸運な勝利だった。その後、3
時15分に始まった準々決勝で、中村はすさまじい強打戦を繰り広げることになる。

■相手のジェミー・ジャクソン(米国)は、ベースラインからのハードヒットを
得意とする選手。だが第1セットはそのジャクソンに簡単なミスが多発し、中村
が6-1で先取する。このまま中村の楽勝かと思われたが、第2セットに入ると
それまでの乱調がうそのように、ジャクソンのペースが上がる。第2、第4ゲー
ムで中村のサービスを続けてブレーク。試合後に中村が語ったように、0-3、
0-4となったところで中村の気持ちが引けてしまったことでジャクソンが息を
吹き返し、このセットは逆に6-1でジャクソンが取る。

■第3セットは究極の強打戦になった。第1ゲームをジャクソンがブレークする
と、第6ゲームに中村がブレークバック。試合はタイブレークに突入する。「勝
って、何とか有明で試合をしたい」と語っていた中村は、ここで最高の集中力を
発揮し、7-4でタイブレークを制し、ゲームセット。試合後「今日は精神的に
よかった。勝ててすごくうれしい」と最高の笑顔を見せた中村。鈴木貴男と杉山
愛が敗れた今、22歳の中村は地元の大きな期待を背負い、ツアーレベルでは初の
準決勝に臨む。(フリーライター 成瀬悦朗)
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優勝候補の杉山、17歳の伏兵に足をすくわれる
[女子シングルス準々決勝]
○Chan,Yung-Jan(中国台北) 6-3,6-4 ●杉山愛

■杉山はノロノロ運転のスタート。エンジン全開で入ったChan,Yung-Janに先行を
許す。ダブルフォールトはこのセットだけで4本を数えた。それでも、世界ラン
キング132位の17歳が相手だけに、百戦錬磨の杉山がいつかはペースを取り戻すも
のと思われた。実際、第1セット後半は、悪いなりにプレーは徐々に攻撃的にな
っていった。

■ところが、第2セットに入っても動きに切れが出てこない。乱れたリズムは最
後まで戻らなかった。北京、ソウルからの連戦、しかも前週のソウルでは決勝に
進出している。「疲れがないといったらウソになる」と杉山。「自分のとりえで
ある『動き』の部分がよくなかった。ボールに入っていけなかったので、すぐに
押される形になり、苦しい展開になった」と振り返る。

■杉山の妹分・森田あゆみのライバルで、しかも「目標はスギヤマ」と語るChan
Yung-Jan。杉山にとってタイトル獲得の好機と思われた今大会だったが、思いも
よらぬ伏兵に足をすくわれる結果となった。
(広報委員・フリーライター 秋山英宏)
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波形は第1シードのバルトリに歯が立たず
[女子シングルス準々決勝]
○マリオン・バルトリ(フランス) 6-2, 6-1 ●波形純理

■前日、試合途中で順延となった2回戦は、スアレスが棄権を申し出て、波形の
勝利となった。戦わずして準々決勝に進出した波形が、第1シードのバルトリ
(フランス)と激突した。

■国内屈指のストローク力を誇る波形。ボールのスピード、パワーではバルトリ
に劣らなかったが、正確性ではバルトリが上。ときおり波形らしいウイナーを決
めるものの、いかんせん単発、あとが続かない。一方のバルトリはストレート、
クロスと確実にコーナーにボールを突き刺していく。バルトリが力の差を見せつ
けて圧勝。順当に準決勝進出を決めた。

■「相手の方がミスが少なかった。本戦の1回戦に勝てたことはよかった。でも
もう一つ勝ててこそ本物だと思うので、負けたことは残念」と波形。残念ながら
第1シードの壁は厚かった。(フリーライター 成瀬悦朗)
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★★★★★★★★★★ 大会第6日(10月7日)の見どころ ★★★★★★★★
       決勝進出をかけ、4強が激突!

■世界1位で第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)が順当に準決勝に勝
ち上がった。今季、フェデラーは14大会に出場し、1大会を除き、すべて決勝進
出を果たしている。初出場のAIGオープンのタイトルも、すでに射程に入って
いるはずだ。準決勝の相手は、第14シードで世界72位のベンヤミン・ベッカー
(ドイツ)。全米オープンでアンドレ・アガシを破ったことで一気に知名度を上
げた25歳。フェデラーと同年代だが、こちらはプロになったのは昨年という遅咲
きだ。

■ツアー大会で初の4強入りを果たした中村藍子が、17歳Chan,Yung-Jan(中国
台北)と2度目の対戦。初対決は昨年の岐阜で、中村がフルセットで勝っている。
今大会の日本勢で唯一勝ち残った中村は、主催者推薦での出場から4強入りの奮
闘。昨季からフェド杯の主力メンバーになるなど、22歳は成長を遂げている。相
手は世界ランキング132位、準々決勝で27位の杉山から金星を挙げた中国台北の
ホープだが、どちらが自分のペースに引き込めるか。

■もう一つの女子準決勝は、第1シードで世界22位のマリオン・バルトリ(フラ
ンス)と、予選上がりで90位のカミーユ・パン(フランス)の同国対決となった。
対戦成績はバルトリの3勝1敗。今年はウィンブルドン1回戦で対戦し、バルト
リが6-0、6-2で快勝している。

■今季、見事な復調を見せている李亨沢(韓国)が、2年ぶり5度目の出場で初
のベスト4入りを果たした。ツアー大会では今季2度目の4強入り。今年初頭の
世界ランクは107位だったが、現在は57位と躍進。03年3月の自己最高の52位を
更新する勢いだ。

■男子ダブルスの鈴木貴男、岩渕聡組は、連日の雨天順延の影響で、この日に準
々決勝を戦う。相手はケビン・キム、李亨沢組。デ杯日本代表コンビは、昨年の
この大会で、日本男子として初めてツアー大会のダブルス優勝を飾った。その歓
喜の再現を期待したい。

■今年のAIGオープンはここまであいにくの雨天続きだが、世界1位のフェデ
ラー人気もあって、有明コロシアムは連日超満員の盛況ぶり。1万人を超える観
客がセンターコートに熱視線を浴びせている。この日はどんな戦いが見られるだ
ろう。(広報委員・フリーライター 辛仁夏)
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◆発行 財団法人 日本テニス協会 発行部数:   10.741部(10月6日現在)
    〒150-8050 東京都渋谷区神南1-1-1 岸記念体育会館4F
TEL.03-3481-2321 FAX.03-3467-5192

◆取材/秋山 英宏、辛 仁夏、成瀬 悦朗
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