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International JTA Report 海外レポート
2010.07.06 ウィンブルドン 2010 レポート
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6月21日から7月4日に、イギリス、ロンドンのオールイングランド・クラブでウィンブルドンが開催されました。

予選に挑戦した日本勢、杉田祐一、伊藤竜馬、土居美咲、波形純理、藤原里華は惜しくも予選突破ならず。

本戦には、添田豪、錦織圭、クルム伊達公子、森田あゆみ、奈良くるみが出場。

女子シングルスで、森田、奈良が2回戦まで進出しましたが、惜しくも3回戦進出はなりませんでした。

ジュニアの部には内山靖崇、ダニエル太郎、石津幸恵、牟田口恵美、尾崎里紗、大前綾希子がシングルスに出場し、ジュニア女子シングルスで、石津が準優勝。

ウィンブルドンジュニアでの日本選手の決勝進出は、1969年に優勝した沢松和子以来41年ぶり。

四大大会では93年の全米ジュニアで準優勝した吉田友佳以来17年ぶりの快挙です。

また、車いすテニスの男子ダブルスでは、フランス選手と組んだ国枝慎吾が準優勝を手にしました。



ジュニア女子シングルス決勝

ジュニア女子シングルス決勝

Kristyna Pliskova (チェコ)
6-3 4-6 6-4
石津幸恵

第3セット第6ゲームで石津は相手のサーブをブレークし、4-2とリードを奪う。第2セット以降、流れは石津に傾いていた。ほぼ満員にふくれあがった1番コートの観客も彼女を後押ししている。ジュニアの頂点まで、あと2ゲームだった。

しかし、この2ゲームが遠かった。逆にプリスコバに4ゲーム連取され、石津の手から勝利が逃げていった。敗退が決まったその瞬間、石津の目から涙が溢れ出た。「リードしたのに勝ちきれなかった」。ベンチに戻り、タオルに顔を埋める石津。しかし、直後に行われた表彰式で、彼女には勝者より大きな拍手が送られた。17歳の少女をなぐさめるというより、そのプレーを称える拍手だった。

石津は終始、積極的だった。自分から展開し、ラリーを支配するのは常に石津だった。強打を持つプリスコバだが、基本的には粘って相手のミスを待ち、攻められるときだけ攻める受け身のテニス。約1万1000人収容で、センターコートの次に大きい1番コートに詰めかけた観客の多くは、試合が進むにつれて石津の応援に回る。相手より18センチも身長が低い石津への判官びいきも最初はあっただろう。しかし、常に自分から仕掛ける彼女のプレーが観客に何かを伝えたのだと思う。

「4-2となって、気持ちの変化、プレーの変化はあったのか」と聞くと「相手がファーストサーブを入れてきて厳しかった。自分のサーブでは、もっと集中できればよかったなと思います」と石津。自分の口から優勝を意識して硬くなったとは言いたくなかったに違いない。しかし、この場面だけは、彼女の積極性が影を潜めていた。

同じ場面を、父親でコーチの泰彦さんは「ジュニアの試合ではよくあること。あの展開から確実に勝てる選手は一人もいない。むしろ、プリスコバがよく頑張ったと思う」と振り返った。「ま、仕方がないかな」と語る表情には、穏やかな笑みが浮かんでいた。

地元記者に試合の感想を求められた石津は「声援がすごくて最初は緊張したが、いい経験になった。すごく楽しかった」と答えた。負け惜しみではない。テニスの聖地の観客を、自分のテニスで沸かせることができた。目の肥えたファンが自分のテニスを評価してくれた。これは、選手としてこの上ない喜びだったのではないか。その胸の震えは、準優勝のプレートと同じくらい輝かしい思い出として残るだろう。

(秋山 英宏)

ジュニアが開幕! 石津幸恵が2回戦へ

ジュニア女子1回戦

石津幸恵
6-4 7-6(4)
Silvia Njiric (クロアチア)

相手のクロアチア選手はグラウンドストロークがしっかりしていて、サーブも強力。先の全仏ジュニアでは4強入りした実力者だ。だが、石津もストロークの伸びでは負けていない。両選手が攻撃的なグラウンドストロークで主導権を探る、つばぜり合いが続いた。

第1セットは終盤、石津がワンチャンスを生かしてブレークに成功、6-4で先取した。第2セットも差が開かない展開で、タイブレークにもつれた。ここでも堅実なプレーを続けた石津に対し、相手選手はサーブ、グラウンドストロークに精度を欠いた。スコアの上では接戦だったが、不安を少しも感じさせない石津のプレーだった。

「もちろんうれしいが、去年も1回戦を勝っているので、安心したというのが大きい」と石津。「焦ってもミスするだけなので、落ち着いてやろうと思っていた。サービスゲームは取れていたので安心感があり、平常心でできた」と、そのプレー同様、淡々と試合を振り返った。

今大会は第10シード。目標は「一戦一戦、頑張ること」だ。全豪ジュニアは優勝をねらって臨んだが、「勝ちを意識しすぎて」2回戦敗退。「(自分が)強いと思うと守りに入る」と反省し、「今回はチャレンジャーの気持ち」で戦うという。初戦の緊張に勝ち、難敵を倒しただけに、今後の戦いが一層楽しみになった。

(秋山 英宏)

森田あゆみと奈良くるみが四大大会初勝利!

女子シングルス1回戦

森田あゆみ
7-5 6-1
タマリネ・タナスガーン (タイ)

昨シーズンは2度もツアー4強入りを果たすなど実力をつけてきた森田だが、四大大会では1回戦の壁に泣いてきた。8大会連続1回戦負け。テニス自体はよくなっている手応えがあるだけに、大舞台での敗退に力を落とすことが多かった。全仏でも「ナーバスになって自分のテニスができず」1回戦負け。その後はモチベーションが落ち、休養さえ考えたという。

「どん底だったが、それを乗り越え、今日はグランドスラムとか勝ちたいとか変に考えすぎずに、ふっきれて、いい状態で臨めた」と森田。そういうときに勝利の女神は微笑むものなのか。緊張はあったが、ナーバスになったときこそアグレッシブにプレーする、という教えがこの試合では実践できた。「まだ信じられないが、(初勝利までが)けっこう長かったので、すごくうれしい」。森田は晴れ晴れとした笑顔を見せた。

女子シングルス1回戦

奈良くるみ
6-4 6-2
タマリアナ・デュケ・マリーノ (コロンビア)

奈良の見事な初陣だった。序盤から積極的な攻撃で主導権を握る。早いタイミングでボールを捕らえ、常に先に展開していった。第1セットは4-1から4-4に追いつかれる嫌な展開だったが、5-4で迎えた相手のサービスゲームで40-0から逆転。セットを奪うと、第2セットは集中力の落ちた相手を圧倒した。

奈良のコメント「本戦に上がれるとは思っていなかったウィンブルドンで、1回戦に勝てたことはすごくうれしい。ただ、内容的には納得のいく試合ではなかった。予選の3試合では、自分がこれからやっていきたいプレーができていたが、さすがに今日は、勝ちたいという気持ちが出てきて、少し硬くなってしまった。2回戦(対戦相手は李娜=中国)では、今日のような試合をしていたら相手にならないので、自分のプレーをしたい」

(秋山 英宏)

奈良くるみインタビュー

◇全仏に続いて四大大会出場。「毎日が充実」と奈良

予選を突破し、初の本戦出場を果たした18歳の奈良くるみ。全仏に続く予選勝ち上がりは、地力が付いたあかしと言える。開幕前日(20日)の練習を終え、待ちかまえていた日本人記者の質問に答えた。

--調子は?
 「まずまずです」

--本戦入りの感想は?
  「特に本戦を意識することはない。もちろんうれしいし、チャンスを生かしたいと思っているが、あまり意識せず、次の試合に向けて、いいモチベーションでプレーできたらいいと思っている」

--予選からうまく切り替えられた、と?
  「すごくうれしかったし、ホッとしたが、次の日に休養をとって、切り替えた。今は本戦でいいプレーが出せるように持っていきたいと考えている」

--マリアナ・デュケ・マリーノ(コロンビア)は一度勝っている相手だが。
  「本戦1回戦という舞台で勝ちたいし、勝ちにいく試合をしたいが、一度勝っている相手とは考えない。前回の対戦はノンプレッシャーだった。今回は、勝ちたい試合で自分がどれだけできるか、見てみたい」

--例えば今季の序盤に、四大大会の予選を勝ち上がって本戦でプレーする自分をイメージしていたか。
  「全豪は予選2回戦で敗れ、『こんなところで3回勝つのは難しい』と感じたが、全仏で予選を突破して『自分もいける』と分かった。今回は予選を勝つことよりも、自分のテニスの質を上げることを課題にしていたので、(その成果として)結果がついてきたことはうれしい」

--ウインブルドンではどのように過ごしているか。
  「毎日、いい選手と練習できるし、トップ選手の練習を目の前で見るなど、勉強することばかりなので、得るものしかない。逆に自分のふがいなさに落ち込むこともあるが、毎日、充実している」

18歳の初出場選手とは思えない、落ち着いた受け答え。ジュニア時代に世界を経験してきたとはいえ、これほど客観的に自分を見つめられる選手はそう多くない。本戦での活躍が楽しみだ。

※ウィンブルドンの模様は、JTA公式メールマガジン「Tennis Fan(テニスファン)」のバックナンバーでご覧になれます。また、「JTA公式ブログ」でも記事がご覧になれます。


「Tennis Fan」バックナンバー記事

JTA/TENNIS FAN #299 ウィンブルドン予選・添田豪が本戦まであとひとつ!

JTA/TENNIS FAN #300 ウィンブルドン予選・奈良、土居、波形が3回戦へ

JTA/TENNIS FAN #301 ウィンブルドンは21日からスタート! 添田、錦織、クルム伊達、森田、奈良が出場!

ウィンブルドン特集#1 開幕が迫るウィンブルドン。添田豪は初出場初勝利を目指す

ウィンブルドン特集#2 全仏に続いて四大大会出場。「毎日が充実」と奈良

ウィンブルドン特集#3 森田あゆみと奈良くるみが四大大会初勝利!

ウィンブルドン特集#4 女子ダブルスで森田ペアがクルム伊達ペアにストレート勝ち

ウィンブルドン特集#5 森田、奈良は3回戦進出ならず。シングルスの日本勢は全員敗退

ウィンブルドン特集#6 森田のダブルスは2回戦止まり。日本勢は単複とも全員敗退

ウィンブルドン特集#7 ジュニアが開幕!石津幸恵が2回戦へ

ウィンブルドン特集#8 ジュニアの内山靖崇、尾崎里紗は1回戦で姿を消す

ウィンブルドン特集#9 ジュニアの石津幸恵が逆転勝ちで3回戦へ!

ウィンブルドン特集#10 ジュニアの石津幸恵が準々決勝進出。次の相手は第2シード

ウィンブルドン特集#11 ジュニアの石津幸恵が準決勝へ! 内山靖崇は複で準々決勝進出

ウィンブルドン特集#12 ジュニアの石津幸恵が決勝進出。41年ぶりの日本選手の優勝なるか

ウィンブルドン特集#13 ジュニア女子の石津幸恵は惜しくも優勝を逃す

ウィンブルドン特集#14 車いす男子ダブルスの国枝慎吾は惜しくも準優勝

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