8月3~8日に、チェコ・プロステヨフで14歳以下国別対抗戦「ワールドジュニア世界大会」が開催されました。U14男女日本代表チームは、準決勝で惜しくも敗れ、決勝進出を逃しましたが、両チームともに3位決定戦で勝利し、第3位を手にしました。このワールドジュニア世界大会でチームを率いた、櫻井準人監督、井本善友監督からレポートが届きました。
ワールドジュニア世界大会を振り返って
男子チーム監督 櫻井準人
日本男子チームは、団結力で勝ち抜きました。
ヨーロッパでのヤングスター(個人戦)3大会は、シングルス、ダブルスともに好成績を残し、San RemoでのActive Restで気分転換と、世界大会に向けての仕切り直しをして、各自の修正点を話し合いました。チェコでの現地調整では、少ない練習量でしたが、練習マッチをこなしました(特に、ダブルス)。40日間の遠征で、うまくピークを世界大会に持って行きました。それを可能にするには、スケジュール作りと日頃からの体力トレーニングの積み重ねに他なりません。
ヨーロッパ遠征を通して、ボールを打つことに固執するより、どこにどんなボールをいつ打つかを考えました。そのためには、常に正確性優先で、プレッシャーのかかる場面を想定した練習を短いポイント練習で行いました。
特に試合中ということもあり、サービスからの展開では、オープンコートを作る工夫。レシーブでは、相手の2nd サービスからの攻撃などが効果的でした。
レッドクレーでは、戦略的には、クロスラリ―からストレートへの方向転換、フォアの逆クロスと回り込みストレートの方向転換、深さと角度の組み合わせ、スピンとスライスでリズムを狂わすなどの工夫、ドロップショットが効果的でした。
やはり将来を考えると、コートを広く使うためには、自分から動き、フォアの活用範囲を広げることが大切です。
昨年の9月のATF韓国遠征から始まり、JTAの体力測定をもとに冬の時期の体力作り、週末を用いての40日にわたるNTC合宿、アジア予選、全国選抜と準備をして挑んだ世界大会でした。皆様の協力のおかげで、良い成績を残すことができました。保護者、ホームコーチ、ヨネックス、協会事務局、ナショナルチーム、海外在住の日本人の皆様のサポートに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
ワールドジュニア世界大会を振り返って
女子チーム監督 井本善友
イタリアのサンレモにて調整後、ウィーンを経由して7月30日深夜にプロステヨフに入った。ヤングスター3連戦によって選手達の心身はギリギリの状態であったため、サンレモではコンディションを整えることを徹底した。サンレモのテニスクラブには、ボブ・ブレッドのテニスアカデミーがあり、選手達10人ほどが朝から練習を行っていたが、ボブ・ブレッド本人は不在であった。
日曜日のドローミーティングによって16チームが4グループ(4チーム×4)に分けられた。アジア予選2位の日本は、第6シードとしてCグループ(ウクライナ・日本・チリ・オランダ)に入った。総当り戦後、1~4位トーナメントに移行し、最終順位を決定する。
大会第1日、午前10時の開会式後にオランダとの初戦を向かえた。前日に奥野彩加が体調を崩し、ダブルスの編成を変更せざる終えない状況になった。#2シングルスでは、足立真美は出だし良く第1セットを6-0で取るが、相手の調子が上がり逆転で敗退した。
#1シングルスの小和瀬望帆は、高速ラリーを得意とするIndy De Vroomに対し、接戦ながらもストレートで勝利。いきなりダブルスに勝敗がかかる展開となった。相手のサービスゲームを何度もブレークするが、自分達のサービスゲームをキープすることができず、流れをつかむことができなかった。結局、重要なポイントをおさえることができず、ストレートで敗戦。日本チームは黒星スタートとなった。
大会第2日は第4シードのウクライナと対戦。足立真美が僅差のゲームに勝利してくれたことが大きく、2-1で勝利することができた。大会第3日はチリに圧勝し、2勝1敗でリーグ戦を終了。順位決定はウクライナ対オランダ戦の結果に委ねられた。
オランダが勝てば、オランダ1位・日本2位。ウクライナが勝てば3チームが2勝1敗になり、得セット率の勝負となる。日本が1位通過する条件は、ウクライナがオランダに対し2-1で勝利することであった。#2シングルスは4時間にも及ぶ接戦で、オランダがファイナルセット11-9で勝利した。#1シングルスではオランダのIndyがまさかのストレートでの敗戦。勝敗の行方はダブルスにもつれ込んだ。ダブルスが始まったのが午後4時半。結局ウクライナがファイナルセットでオランダペアを破り、日本チームが1位通過を決めた。
決勝トーナメントは、ロシア(Aグループ)・チェコ(Bグループ)・日本(Cグループ)・アメリカ(Dグループ)で争われ、日本の準決勝の相手はアメリカ。アメリカは2年連続優勝しており、3連覇を狙っていた。#1プレーヤーのマディソン・キースが参加していなかったが、ダブルスが強力で安定したチーム力がある印象を受けた。シングルス戦で1勝1敗。ダブルスに勝敗がかかった。第1セットは積極的なテニスで日本チーム。第2セットに入ると、タイミング早く打つストロークに日本チームが引いてしまい、主導権を握られしまった。フォーメーションやサインプレーを混ぜて、流れを引き戻そうとしたが、最後まで打開策を見つけることができずに敗退し、チームとして1-2で敗れた。
3位決定戦はロシアとの対戦となった。ナンバー1プレーヤー、プティンシェバの出場停止(準決勝敗戦後、観客に暴言を吐いた)というアクシデントがあり、相手は万全ではなかったとはいえ、簡単に倒せる相手ではなかった。シングルスで1勝1敗となり、またしてもダブルスに勝敗がかかった。前回の試合後、ストローク全般のタイミングを早くすること、リターンをベースライン内で打つこと、相手のセカンドサーブを前衛の正面に打ち込むことを徹底して練習した。 効果は十分にあった。相手の前衛はサービスライン付近に下がってしまい、ボレーで攻撃されることがなくなった。ストロークのタイミングを早くすることで、主導権を握ることができ、味方前衛がネットの近くでボレーができるようになった。すべての歯車が上手くかみ合い、終始、我々のリズムで試合ができていた。
世界3位という結果であったが、優勝を狙えるチームであることは間違いなかった。いろいろとアクシデントがあったが、選手達は一致団結して、自分達がやるべきことにひたむきに取り組めていた。2度も敗戦を経験したが、しっかりと話し合い、気持ちを切り替えて、次の試合に勝利することができた。彼女達のポジティブな姿勢には、大きな可能性を感じずにはいられない。
最後に、各選手のホームコーチ、日本テニス協会の方々、スポンサーの方々、TSSの方々、いつも現場を影で支えてくださっている多くの方々に、心から感謝しております。また、現地まで視察を兼ねて応援に駆けつけてくださった、山形様、大坪様、重松様、ありがとうございました。
ワールドジュニア世界大会
| 開催場所 |
チェコ、プロステヨフ |
| 大会期間 |
:2009年8月3日(月)~8日(土) |
| 種目 |
14歳以下国別対抗戦 |
日本チーム・男子
| 監督 |
櫻井準人(味の素NTC専任コーチングディレクター) |
| 選手 |
西岡良仁(ニックインドアテニスカレッジ)、 斉藤貴史(津幡町ジュニア)、 沼尻啓介(NJTC) |
日本チーム・女子
| 監督 |
井本善友(日本テニス協会ナショナルコーチ) |
| 選手 |
小和瀬望帆(吉田記念テニス研修センター)、 足立真美(むさしの村ローンTC)、 奥野彩加(TG高槻) |
日本チームの試合結果
[1次予選(ラウンドロビン)男子 GROUP B]
第1日 ○日本 3-0 ●イスラエル
第2日 ○日本 3-0 ●アルゼンチン
第3日 ○日本 3-0 ●メキシコ
[1次予選(ラウンドロビン)女子 GROUP C]
第1日 ●日本 1-2 ○オランダ
第2日 ○日本 2-1 ●ウクライナ
第3日 ○日本 3-0 ●チリ
[男子準決勝]
○スペイン[7] 2-1 ●日本[6]
[男子3位決定戦]
○日本[6] 2-1 ●チェコ
[女子準決勝]
○アメリカ[2] 2-1 ●日本[6]
[女子3位決定戦]
○日本[6] 2-1 ●ロシア[1]
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