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4月23日から2日間、フェドカップ・ワールドグループIIのチェコ戦はチェコ・プラハのCez Koloseum(アウェー)で行われ日本チームは2-3で惜敗しました。
チェコチームは、クララ・クーカロバ、ニコル・バイディソバ、イベタ・ベネソバ、クベタ・ペシュケというメンバーを擁し、激戦が予想されましたが、日本チームはシングルス2勝2敗のタイで迎えた最終戦のダブルスで星を落とし、惜しくもワールドグループIプレーオフ進出はなりませんでした。試合前日から配信したメールマガジンで3日間を振り返ります。
取材:広報委員/秋山 英宏
写真:広報委員/佐藤ひろし
フェドカップ。チェコ戦が23日開幕。日本はシングルスに森上と中村を起用
23、24の両日、世界各地でフェドカップが開催される。8カ国からなるワールドグループ II(2部)の一員として、来季のグループ I(1部)入りを目指す日本は、1回戦でチェコと対戦。チェコの首都プラハのテニスクラブ「I.CLTK」を舞台に、単複5試合が行われる。国別ランキングでは日本が上位だが、個々の選手の実力は互角と見られ、接戦は必至だ。なお、チェコとはこれが初対戦。
22日には、プラハの観光名所・旧市庁舎で組合せ抽選が行われ、出場選手と試合順が決まった。初日の第1試合は森上亜希子とイベタ・ベネソバが顔を合わせ
る。もう1試合は、フェド杯初出場の中村藍子が、チェコのエース、ニコル・バイディソバ(世界ランク34位)に挑む。23日に16歳の誕生日を迎えるバイディソバは「シャラポワ2世」の呼び声も高い逸材だが、21歳の中村も伸び盛り。挑戦者にふさわしい積極的なプレーを見せてくれるはずだ。
第2日の第1試合は、フェド杯の規定で両チームのエースが対戦。森上とバイディソバの激しい打ち合いが見られるだろう。第2試合は中村とベネソバが対戦する。日本はダブルスには藤原里華、小畑沙織と、フェド杯の経験豊かな選手を起用。複にチームの勝敗がかかる展開になれば、日本がやや有利か。
日本チームの植田実監督は
「シングルスはベストの布陣だ。試合順も日本チームとしては望み通り」と力強く言い切った。
エースの森上が初戦白星。初出場の中村が敗れ、初日は1勝1敗に
第1日・第1試合【シングルス】
快晴のプラハで、フェドカップ、ワールドグループII・1回戦の日本対チェコ戦が開幕。第1試合では森上亜希子がイベタ・ベネソバをストレートで下した。
森上はサーブがやや不調で、リズムがつかめず苦しんだが、よく持ちこたえた。第2セットはタイブレークにもつれこんだ。森上のダブルフォールトで2-3。
しかし、ここで森上が見事なドロップショットを決め、流れを引き戻した。「あのドロップショットがキーポイントだった」と森上。最後はベネソバのバックハンドがネット。森上は両手で両手を高く掲げ、飛び上がって喜びを爆発させた。
「最初の試合で勝つことができて、うれしく思います。チームにとっても、いいスタートが切れたと思う。(ベネソバ選手には)確かにアテネ五輪では勝っているが、クレーコートが得意な選手なので、今日は自分のプレーをすることだけ考えていました。リズムをつかむのが難しかったけれど、自分のプレーに集中しようとつとめました」と森上。
第2試合【シングルス】
第2試合では、フェド杯初出場の中村藍子が、次の“女王候補”の一人であるニコル・バイディソバと対戦。この日16歳になったばかりのバイディソバは、大砲のようなフォアハンドとビッグサーブを連発したが、中村もよく食い下がった。中村のフラットがベースライン深く食い込むと、バイディソバにもミスが続いた。第1セットは1-3から3-3と挽回し、中村のペースになりかけた。しかし、バイディソバがここからギアを上げ、追いすがる中村を蹴落とした。ここという場面でのプレーの迫力は、大器の呼び声にふさわしいものだった。
初出場を白星で飾れなかった中村だが、試合後には「今日、自分が出し切れるベストは尽くした」ときっぱり。「ニコルもいいテニスをしていたと思うし、ちょっとスコアは離れてしまったが、1ポイント1ポイント食らいついていって、その結果なので、負けてしまったけれど明日につながる試合ができたと思います」
初日の1勝1敗という結果に、植田実監督は「(どちらの試合も)ランキングは相手が上。向かっていく気持ちでできるので、やりやすいと思っていた。結果は1勝1敗だったが、そう簡単には2-0にはならないと思っていた。森上、中村とも彼女たちのベストファイトをしたうえでの結果であり、(今から)明日のことに切り替えて準備したい」と語った。
エースの森上が“大人のテニス”で新鋭バイディソバにストレート勝ち
第2日第1試合【シングルス】
森上亜希子の完勝だった。序盤はニコル・バイディソバのハードヒットに押される場面が目立った。レッドクレーをしっかり踏みしめ、両足に全体重をかけて打ち込むバイディソバのストロークは深く、いかにも重そうだった。しかし、森上はこのボールに食らいついた。体重が後ろの足にかかった不十分な体勢でも、ラケット面は完璧にコントロールした。バイディソバの強打を2本、3本としのぎ、そのうちバイディソバは、こらえきれずにミスを犯した。
攻めも見事だった。森上は相手のサーブを6度もブレークした。バイディソバのサーブには威力があったが単調だった。森上はこれを積極的に叩いた。また、森上のサーブはうまくコースをつき、その後の展開を有利にした。ドロップショットやスライスなど多彩なショットを繰り出し、ラリーに変化を持たせた。バイディソバは、森上の隙のないプレーに徐々にフラストレーションをため、徐々にペースを乱していった。16歳の女王候補も、森上の“大人のテニス”にはお手上げだった。
「今日は攻めでも守りでも、どちらでもいいからとにかくポイントを取ろうと思っていた」と森上。日本チームのエースは、その思いを見事にコートの上に描いて見せた。
王手をかけた第2シングルスで藤原が負け、勝敗の行方はダブルスに
第2試合【シングルス】
日本が2-1と王手をかけて迎えたシングルス2。ここで両チームの監督が動いた。日本は、前日シングルス2として出場した中村藍子に替えて藤原里華を起用。チェコは、団体戦の雰囲気にのまれたイベタ・ベネソバの起用を見送り、29歳のベテラン、クベタ・ペシュケに命運を託した。
初出場が98年(ワールドグループ入れ替え戦)で、このチームでは最も多くフェドカップを経験してきたペシュケが、監督の期待に見事応えた。ペシュケは、思い切りのいいストロークを連発。シングルスでの出場は02年以来3年ぶりとなる藤原がリズムに乗る前に、試合の主導権を握った。藤原も、なんとか相手のリズムを崩そうと、第2セットの中盤からロブを多用した。これが功を奏し、一方的になりかけた流れをなんとか食い止めたものの、最後はペシュケに押し切られた。
これで2-2のタイ。決着は最後のダブルスに持ち込まれた。
日本惜敗。バイディソバを下したエース森上も、最後のダブルスで力尽きる
第3試合【ダブルス】
| ○ |
イベタ・ベネソバ
クベタ・ペシュケ |
|
● |
森上亜希子
小畑沙織 |
日本が2-1と王手をかけて迎えたシングルス2。ここで両チームの監督が動いた。日本は、前日シングルス2として出場した中村藍子に替えて藤原里華を起用。チェコは、団体戦の雰囲気にのまれたイベタ・ベネソバの起用を見送り、29歳のベテラン、クベタ・ペシュケに命運を託した。
04年の対ブルガリア戦(ワールドグループ・プレーオフ)に続き、またも最終戦のダブルスに決着が持ち込まれた。日本はこのダブルスに、シングルスで2勝を挙げた森上を藤原に替えて起用。チェコは予定通りベネソバとペシュケのペアで臨んだ。
立ち上がりは日本が4-0とリード。しかし、チェコのペアも4-4と追いすがる。第9ゲームは森上がラブゲームでサーブをキープし、5-4。続く第10ゲームでは、5度のデュースの末にベネソバのサーブをブレークし、日本チームが第1セットを先取した。
第1セットと同じように、森上のサーブで第2セットが始まった。そして、結果的に、このゲームが試合の分岐点になった。デュースを4回繰り返すロングゲームを奪ったのはチェコチーム。このブレークダウンから、森上は、試合終了まで5ゲーム連続でサーブを落とすことになる。
森上の動きは第2セットからガクッと落ちてきた。第1試合でバイディソバのハードヒットに耐え続けた森上。チームのエースとして2勝を挙げた森上のガソリンタンクには、もう燃料が残っていなかったのかもしれない。
坂道を転げ落ちるように、日本ペアは続けてゲームを失っていく。第2セットは1-5の劣勢から3-5と追い上げた。しかし、それが精一杯の抵抗だった。第3セットは0-6。2日間の戦いが終わった。森上はベンチに座り込み、タオルに顔を埋めて動かなかった。
試合後の会見で、地元記者に疲れの影響を問われた森上は「全くなかった」と強く否定した。単複3試合での起用もあり得ることは、植田実監督から事前に聞かされていた。エースの責任として、「疲れ」を敗戦の理由にすることはできなかったのだろう。「今日(のダブルス)は私のプレーがよくなかった。でも、もっともっと練習して、次の機会にはもっといいプレーができるようにしたい」と森上は力を込めた。
結果的にメンバー変更を行った2試合が、勝敗を分けるキーポイントになった。しかし、森上の起用には「直前の決断だったが、(起用に)迷いはなかった」と植田監督。また植田監督は、初日のシングルス2には中村藍子で臨み、2日目のシングルス2には藤原里華でいくことをあらかじめ決めていたという。植田監督は、森上を軸に総力戦を挑んだのだ。結果的にチームは敗れ、監督としての初采配は黒星となったが、挽回のチャンスはまだまだある。
※残念ながら日本チームは惜敗。フェドカップ・ワールドグループIIの1回戦で敗れた日本チームは、各地域ゾーンで勝ち上がった4カ国とグループII1回戦敗者の4カ国が7月に入れ替え戦を行います。(組み合わせは5月3日にロンドンで行われる予定)
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