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2005/アジア・オセアニアゾーン・グループ1/1回戦「日本対台湾」は3月4日(金)~6日(日)の3日間、アウェー台湾・桃園縣の「東森陽光山林倶樂部」で開催され、日本は過去6連勝中の台湾に2-3で惜敗。
今年の男子国別対抗戦デビスカップが開幕しました。
2005/アジア・オセアニアゾーン・グループ1/1回戦「日本 対 台湾」は3月4日(金)~6日(日)の3日間、アウェー台湾・桃園縣の「東森陽光山林倶樂部」で開催され、日本は過去6連勝中の台湾に2-3で敗れ、7月に行われるグループ1のプレーオフ1回戦でタイと対戦となりました。
2005・日本デビスカップチームメンバー
| 監督 |
竹内 映二 |
| スーパーバイザー |
ボブ・ブレット |
| コーチ |
増田 健太郎 |
| 選手 |
鈴木 貴男、本村 剛一、トーマス 嶋田、添田 豪、(候補)松井 俊英 |
初日・シングルス第1試合
十数年ぶりの寒波に見舞われた台湾・桃園県のソレアダクラブ(東森陽光山林倶楽部)でデビスカップ、日本×台湾戦が開幕した。第1試合は本村剛一が台湾のエース盧彦勲と対戦。立ち上がり、流れをつかんだのは本村だった。一方、地元の盧には硬さが見られ、サーブもグラウンドストロークも本来の出来とは遠かった。第1セットは本村の6-3。第2セットも、盧のサービスダウンで幕を開けた。
しかし、コートサーフェスと寒さとデ杯の緊張感に慣れるにつれて、盧のプレーが積極的になった。遅い春の歩みのように一歩一歩、ゲームを追うごとに、盧のボールの伸びが増していく。
最初のターニングポイントは、第2セット3-3からの第7ゲームだった。盧は、このサービスゲームで3度のデュース、1本のブレークポイントを切り抜けてキープに成功する。試合はまだ序盤だったが、両者のプレーは、ここで一度、ピークに達した。両選手とも、攻撃的なグラウンドストロークからネットを取った。まさに、つばぜり合いだった。なかでも盧のギアが一気に上がった。ここでブレークされては本村に試合の主導権が渡る。大きな山場であることを十分意識したシフトチェンジだった。
試合の流れが向きを変え、しかもそれは一気に急流、奔流となって本村を飲み込んだ。盧は9ゲームを連取、つまり第2、第3セットを連取し、優位に立った。しかし本村は、石にかじりつくようにして奔流を耐えた。第4セットに入ると本村のショットが再び勢いを取り戻す。開き直ってリラックスしたことで、ショットが伸びを取り戻し、粘りも戻った。本村の勢いに押されたのか、盧はサーブのリズムを乱し、決め球のミスも増えていった。
本村が第4セットを奪い、試合はファイナルセットへ。最初の本村のサービスゲームでは、盧の攻撃が見事だった。たちまち0-40。ところが本村がこの窮地を意地で挽回し、サービスをキープ。試合の行方はますます混沌としてきた。盧の破壊力のあるフォアハンドと、本村のカウンターが火花を散らした。
最後のターニングポイントは、またしても「第7ゲーム」だった。本村のサーブで、15-0からの2ポイント目。流れの中でネットを取った本村に、盧は火の出るようなバックハンドのパスをダウンザラインに放つ。この一撃で、本村は一気に土俵際まで追いつめられたような気がしたのだろう。急にトーンダウンした本村は、バックハンドのミスとダブルフォールト2本でサービスダウン。3-4となり、今度ばかりは本村も流れを引き戻すことができなかった。
この日はサーブが不調だった盧だが、最後のサービスゲームでのラケットの振り切りは素晴らしかった。マッチポイントはバックハンドボレー。初戦の勝利を決めた盧は、ボールをコートの外に大きく打ち出し、喜びをはじけさせた。
試合後の本村は「(第5セット)第7ゲームの2つめのポイントのことがまだ頭にある」と、表情をゆがめた。「彼のスーパーショット(バックハンドのパス)でプレッシャーがかかり、次のバックハンドをふかして(大きく打ち出して)しまった。そこをしっかりキープできていれば、まだ(勝敗の行方は)分からなかったのだが」
盧も第5セットを「どちらにもチャンスがあった」と振り返る。確かにその通りだろう。しかし、そのチャンスを両手でつかむ術(すべ)を、盧は知っていた。こういう場面でこそ、さらにギアを上げること、これまで以上に攻撃的にプレーするしか勝ち切る道はない。盧はそれをした。さすがはトップ100プレーヤー。残念ながら、盧が一枚上手だった。
日本チームの竹内映二監督は「苦しみながらもファーストサーブを入れてきた彼の度胸にびっくりしました」と盧の終盤の戦いぶりを素直に称えた。
初日・シングルス第2試合
第2試合は、鈴木貴男が1月の全豪オープンを思い出させるような徹底したサーブアンドボレーとチップアンドチャージで、王宇佐を揺さぶった。王は第1セットこそよく食い下がったが、鈴木の隙のないプレーに、中盤以降は徐々に戦意を喪失していった。鈴木の完勝だった。
初日は1勝1敗。この結果に竹内監督は「欲を言えばきりがないが、いい結果だと思う」。日本チームは、第2日のダブルスにはトーマス嶋田と鈴木貴男のペアで臨む。
第2日 ダブルス試合
| ○ |
トーマス 嶋田
鈴木 貴男 |
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● |
盧 彦勲
王 宇佐 |
去年の11月、全日本選手権の記者会見の席で、トーマス嶋田はある決意を明らかにした。「来シーズンのデ杯を最後に現役を引退する」というのだ。全日本が閉幕すると嶋田はすぐに帰米し、右ひじを手術した。ひじには、日常生活にも不自由するほどの痛みがあった。最後のシーズンに、すなわちデ杯にかける嶋田は、あえて右ひじにメスを入れた。ドクターは完治まで3カ月かかると言う。デ杯1回戦の台湾戦までの猶予は3カ月半。ぶっつけ本番になるが、なんとか間に合う計算だ。
3カ月半が過ぎ、嶋田はわれわれの前に戻ってきた。合宿で嶋田のプレーを見た竹内映二監督は、彼を日本代表の4人に入れることを決めたのだ。ただし、最終的に嶋田の出場が確定したのは、開幕のわずか3日前、今週の火曜日のことだった。
パートナーは、これまでにタイ戦、インド戦、チリ戦などでペアを組んだ鈴木貴男。今、考えられる最強ペアと言っていいだろう。前日とはうって変わった晴天のもとで、第2日のダブルスが始まった。百戦錬磨の嶋田だが、やはり試合勘は戻っていない。立ち上がりは嶋田にミスが目立った。実戦ならではのフィーリングや相手とのタイミングを、嶋田はつかんでいなかった。気持ちが入れば入るほど力みが目立った。リズムの悪さが鈴木にも伝染し、第1セットは台湾が6-1と日本ペアを圧倒する。
見方によっては、致命的とも思えるリズムの悪さ、二人の“噛み合わなさ”だった。しかし日本チームには、窮地に追い込まれたというムードはなかった。竹内監督は泰然自若としてベンチに座り、選手と会話を交わした。おそらく、嶋田の復調をだれよりも深く信じていたのは竹内監督だろう。11月の時点で竹内監督は「何があってもトミーは台湾に連れていく」と話していた。前日の会見では「一日一日よくなっている。(久しぶりの実戦だが)経験豊かな彼のことだから、克服してくれるだろう」と語っていた。
その信頼に嶋田も応えた。第2セットは嶋田のサーブで始まった。嶋田はこれをラブゲームでキープ。第4ゲームでは王宇佐のサーブをブレークし、日本チームが優位に立つ。リズムの悪さは徐々に解消され、鈴木と嶋田のネットプレーが冴え始めた。5-3からのサービスゲームを嶋田が落として追いつかれたが、タイブレークに入ると再びプレーの精度が上がり、7-5と押し切った。
スコアの上では1セットオールだが、リズムを取り戻した嶋田と鈴木には、もう恐れるものはなかった。第3セットの第4ゲームはデュースにもつれこんだが、ここから嶋田が放った2本のファーストサーブが素晴らしかった。台湾ペアのリターンが返らず、日本ペアの連続得点でサービスキープ。その後も気迫のこもったプレーで流れを引き寄せ、日本チームがこのセットを6-4で奪う。
嶋田は尻上がりに動きがよくなり、ネットプレーでは持ち前の速さ、激しさが出てきた。鈴木もネットプレーヤーならではの柔らかさで相手を翻弄し、ときおり見せるアクロバティックなプレーでチームの士気を高めた。逆に、序盤は勢いのあった王が、徐々に自信を失い、プレーが不安定になる。鈴木が王の足元にリターンを沈め、嶋田がポーチの構えで揺さぶると、王はあっけなくミスをした。
第4セットの第5ゲームで盧彦勲が初めてサービスダウン。ここまで王を引っ張ってきた盧もさすがにトーンダウンしていた。ワンブレークを守り、5-4とした日本チーム。最後は嶋田が見事な集中でサービスゲームを守り、6-4。見事な逆転勝ちだった。
第1セットを落とした時点でも竹内監督に不安はなかった。「二人を信用していますから。序盤は相手もすごくいいパッシングショットを打っていたけれど、それが5セット続くとは思えなかった。こちらはボレーを4本、5本と打つことができなかったので、それをあと1、2本続けてみようと話した」と竹内監督。
無事に復帰を果たし、大きな仕事を成し遂げた嶋田は、ほっとした表情を見せた。「今年はこれが1試合目。しばらく出ていなかったので、今回はたくさんのダウト(不安)があって、いちばん大変だった。テニスの準備よりメンタルの準備をした。出ると決めたのは今週の火曜日。監督が信じてくれたので『やるしかない』と」。ひじの痛みは先週まであったという。しかも、合宿に入ってから足を痛めていた。体もメンタルも、まさにギリギリの戦いだった。鉄のような強い意志で成し遂げたカムバックだった。
最終日・シングルス第1試合
2勝1敗と日本が王手をかけて迎えた第3日。第1試合は両チームのエース、鈴木貴男と盧彦勲の顔合わせに。1月の全豪オープンではダブルスを組んだ両選手が、それぞれ国を代表して戦うことになった。鈴木はサーブアンドボレー、チップアンドチャージと積極的なプレーで第1セットを先取。しかし、盧も徐々にサーブ、リターンの調子を上げ、3セットを連取し、鈴木は逆転負けを喫した。「第1セット後半にトーンが上がったが、あまりにも緊張感が高くなったので、第2、第3セットと、そのトーンを続けることができなかった。そのことが敗因」と鈴木は厳しい表情で語った。
最終日・シングルス第2試合
2勝2敗となり、チームの勝敗がかかった最終戦に登場したのは本村剛一と王宇佐。ランキングでは格上の王に対し、本村は序盤から互角以上の試合を見せ、第1セットは3-0、第2、第4セットは4-2と常に先行する展開となった。しかし、王がその都度、見事な挽回を見せ、逆転に成功する。「あきらめるな、なんとか食いついていこう、と思っていた。(挽回できたのは)僕の後ろには観客もついていたし、少しツキもあったと思う」と王。本村も素晴らしい気迫を見せたが、紙一重のところでかわされた。
「第1、第2セットは勢いでリードしたようなところがあったので、気持ちの面で少し少しあわててしまった。フォアハンドでねじ伏せてやろうという気持ちが強く、攻めてはいたが、プレーが雑になってしまった」と本村は唇を噛んだ。
1回戦に敗れた日本は、7月に行われるグループ1のプレーオフ1回戦でタイと対戦する。
記事は、公式メールマガジン「Tennis Fan」より抜粋いたしました。
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