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International JTA Report 海外レポート
2005.02.22 八筬美恵が車いすテニス女子シングルス優勝!












写真提供:Hiroshi Satoh

「車いすテニス・クラシック8」の女子の部で、八筬美恵シングルスに優勝!

広報委員 秋山 英宏

4大大会で唯一、車いすテニスを同時開催す全豪オープン。
「車いすテニス・クラシック8」は、世界中から男女各8名だけがエントリーできる。同種目の出場権を得て、頂点を目指す八筬美恵が出場。世界ランク10位の八筬が女子シングルスで優勝、ダブルス準優勝という快挙を遂げた。

車いすテニス女子クラシック8・シングルス決勝

八筬 美恵
7-6 (5) 6-1
Maaike Smit
(オランダ)

試合の流れを決めたのは第1セットのタイブレークだった。八筬は1-4から挽回してタイブレークを7-5でものにした。チェンジエンドで風上に回った八筬の深いショットが相手選手を苦しめた。見事な逆転だった。第2セットも八筬のペース。パワーのある相手選手のストロークに、八筬はコントロールとショットのコンビネーションで対抗する。ときおり見せるライジングショットも見事だった。第2セットのヤマ場は第6ゲーム。デュースを6回繰り返した末に八筬が相手サービスをブレーク。八筬が5-1と王手をかけた。マッチポイントは相手のバックハンドがネット。八筬が優勝を決めた。

「一番大きな大会に優勝できて、うれしいのひと言です。試合全体を通して、自分のペースでできたと思います。気持ちで負けないようにと思ってプレーしていました」と八筬。去年のアテネ・パラリンピックに出場し、「今までよりももっと頑張らなくては」「精神的なパワーをつけなくてはいけない」と感じたという。この大会はノーシードからの見事な優勝。昨シーズン、ヨーロッパやアメリカを転戦して蓄えた実力が、南半球のメルボルンで大きく花開いた。

車いすテニス女子クラシック8・ダブルス決勝

Maaike Smit
(オランダ)
Florence Gravellier
(フランス)
6-3 6-3
八筬美恵
長久由佳
(カナダ)

【特別寄稿】全豪オープン・インサイドレポート

日本テニス協会・広報委員会 海外担当 平沢 潤

全豪オープンレポート「オンコート・インタビュー」

オーストラリアン・オープンの風物詩となった「センターコートで勝利選手にコート上でインタビューする/オンコート・インタビュー」今年は、この大会92,93年のチャンピオンであるジム・クーリエが担当し大好評だった。

センターコートでの試合終了後、敗れた選手が立ち去った後に行われるこのインタビューはグランドスラムでは勿論、ツアー大会でも行われない珍しいもの。この大会を制した事のあるクーリエならではといえる選手サイドから見たゲーム内容への質問から、各選手のプライベートな事まで、実に多様で面白い。過去にはジョン・マッケンローもインタビュアーを務め、毒舌インタビューで会場を湧かせたこともある。

今大会中、特に面白かったのは、フェデラーを倒した後のサフィンへのインタビューだ。無敵といわれたフェデラーを倒した喜びと驚きで、半ば放心状態のサフィンに対して「大丈夫?落ち着いて…なんなら抱きしめてあげようか?」と言うクーリエに対して、「そうだね。お願いするよ」と体を寄せるサフィン。またこれをしっかりと抱きしめるクーリエ…。観客も歓声を上げて大喜び!試合では、自分のプレーに苛立ちラケットを叩き折るサフィンからは想像もできないお茶目な内面をさり気なく見せるクーリエの粋な演出。

ヒューイットには、彼のトレードマークになった“カモーン”の絶叫とガッツポーズの事も「あんなに派手なガッツポーズをやっていて疲れない?」と質問。答える側のヒューイットも「疲れるから自分が気持ち良く取れたポイントだけにしてるんだけど?今日は、調子良かったからガッツポーズもイッパイ出来て良かったよ!」とさり気なく返す。

アガシには「30歳を越えても強くなり続ける秘密は?何か秘薬でも使ってるんじゃないの?」と問いかけ、フェデラーには「対戦する選手たちのかわりに聞くけど…他人の決め球を何て事なくスーパーショットで返す時の心境は?」「負け方を忘れないうちに、そろそろ負けても良いじゃないの?」と時には面白く、時には嫌味な質問で会場を沸かす。テニスのプレー以外でも会場に足を運んで来てくれた観客“テニスファン”を楽しませようとする大会やツアー関係者の努力が見える。

日本で開催されているAIGオープンや東レPPOの国際大会はもとより、全日本や全日本室内などで、松岡修造さんや伊達公子さんがインタビュアーとなって勝利選手インタビューが出来たら面白いと思うのですが?皆さんも聞いてみたいと思いませんか?“運営だけでなく、一つのスポーツイベントとして成功させる!”日本でもテニス大会がエンターティメントとして成功した時こそが、テニスが一時的なブームからメジャーなスポーツとして定着した事になるのだと思います。


全豪オープン2回戦
 鈴木貴男 VS ロジャー・フェデラー戦を振り返って

センターコートに貴男が入ってきた。そのうしろを、大歓声に迎えられフェデラーが入ってくる。ウォームアップが始まり、選手の紹介が会場でアナウンスされる。貴男のランキングや予選を勝ち上がった事。その後のアナウンスではフェデラーのディフェンディングチャンピオン、世界ナンバー1、昨年の記録的な強さ、などなどが聞こえてくる。

貴男がどこまで頑張ってくれるか?少しでも長く試合をさせてあげたい!そんな風に想ってしまうほどふたりの間には戦歴の差があった。しかし、いざゲームが始まってみるとフェデラーのショットに喰らいつき、貴男の鋭いサーブが気持ち良く決まる。観客もザワザワとしてきた。

ボクはセンターコートに入る前に、WTAオフィスにあったテレビ中継で立ち上がりの数ゲームを見ていた。そんな時「スズキに10分ぐらいは、良い思いをさせてあげよう」という実況アナウンサーの言葉に腹が立ち、頼むぞ貴男!見返してやれ!と心底想った。試合の終わったヨハンソンにチケットを取ってもらいセンターコートで応援する。フェデラーの家族席のとなりだ…。

ファーストセットで貴男にブレークチャンスがくる、しかしフェデラーのスーパーショットが決まり破ることができない。貴男の思い切りの良いサーブ&ボレーや、チップ&ネットで会場が湧く。「一本!」「貴男ガンバレ!」と言う日本語の声援にまじって「カモ-ン!タケオ」「スジ…」など気持ちはわかるが微妙に違う掛け声が、オーストラリア人からかかるようになってきた。しかし3-6でファーストセットを落とす。

セカンドに入っても貴男のプレーは冴え、会場が一気に貴男サイドになってきた。ボクはフェデラーの家族席の隣だった事も忘れ「貴男、ここ1本!」「挽回!」と熱くなってしまう。この試合を見ていて熱くならない日本人はいないだろう。世界ナンバー1に向かっていく貴男のプレーは見ている人を引き込んでいった。

緊迫したゲームが続くが、最後の1ポイントを取らせてくれない。フェデラーのセットポイントは、貴男のドロップショットを「テニスの王子様」張りのポール回しで決められて後が無くなった。

サードセットに入っても貴男の好調なプレーは続く、特にサーブは平均時速200km!フェデラーの鋭いパッシングショットにひるむことなくネットに詰める。最後は、フェデラーが要所を締めて4-6で試合終了。センターコートの観客に深々と頭を下げ挨拶する貴男にフェデラーに劣らない大歓声とスタンディングオベーションで観客は貴男の健闘をたたえた。

センターコートで行われたフェデラーへのインタビューに「貴男の今日の頑張りは日本テニスにとっても大変良かったと思う」、記者会見でも「今日のプレーを貴男がコンスタントに続けたら間違いなくトップ30には入れると思う」口の重いフェデラーが言う言葉にお世辞はなかった。センターコートの出口でフェデラーの婚約者とバッタリ。彼女は「いい試合だったわネ、大事なポイントでロジャーのアタックが決まってなかったらわからなかったわ」元ツアーを回っていた彼女もハラハラしていたらしい。試合後、貴男に会うと「緊張はしなかった。でも、あのテニスの王子様ショットには参ったなぁ!」頼もしい日本のエースだ!大会関係者や選手達が「タカオ凄いね!」「日本の男子でも、すごい選手がいるじゃないか!」 久々に日本人として胸を張って会場を後に出来る夜だった。「ありがとう貴男!また、がんばれよ!」心から思った。


男子シングルス2回戦(1月19日ナイトセッション)

ロジャー・フェデラー
(スイス)
6-3 6-4 6-4
鈴木貴男

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