JTA
JTA 日本テニス協会 Japan Tennis Association FOR ALL THE PEOPLE WHO LOVE TENNIS
繝医ャ繝励壹シ繧ク[繝。繝九Η繝シ] 譌・譛ャ繝繝九せ蜊比シ壹↓縺、縺縺ヲ[繝。繝九Η繝シ] 繝翫す繝ァ繝翫Ν繝√シ繝[繝。繝九Η繝シ] 繝医シ繝翫Γ繝ウ繝[繝。繝九Η繝シ] ランキング プレイヤー 普及指導 繧オ繧、繝医槭ャ繝夕繝。繝九Η繝シ]
Domestic JTA Report 国内レポート
2007.8.16 2007 青春・佐賀高校総体レポート

















全国高等学校体育連盟テニス部
副部長 沢野 唯志

はじめに

青春・佐賀総体(せいしゅん、さがそうたい)は、佐賀弁で「青春を探そうではないか」という意味である。この簡潔で明快なメッセージにインターハイに向けられたすべての思いが託されていると感じた。

さて、今年も連日35度を超える「がばい」暑さの中、くま蝉の大合唱に応援されてのインターハイとなった。台風5号USAGI(うさぎ)の襲来とその影響による雷を伴った豪雨により日程の変更を余儀なくされたが、佐賀県実行委員会の皆さん、高体連テニス部の先生方、補助員の高校生の的確な判断と目を見張るような組織力、機敏な行動力により見事に成功裏に終えることが出来た。

今年のインターハイも「この夏佐賀に君色の風が吹く」をキャッチフレーズに青春の感動と笑顔と涙のドラマが佐賀の地で展開された。

総合開会式

総合開会式は皇太子殿下のご臨席を賜り、佐賀県総合運動場陸上競技場で開催された。佐賀県内の老若男女各種団体は、歓迎の大きな声の挨拶とともに涼しい「打ち水」で全国の精鋭・選手団を迎えてくれた。その心遣いが参加者に戦いのステージへ臨む気持ちをたかめてくれる。

抜けるような青空の下、各都道府県の堂々の入場行進が始まる。その旗手の多くをテニス部選手が務め、そして選手宣誓も男子龍谷高校テニス部高木主将・女子致遠館高校テニス部園田主将が行うなど、大いにテニスが目立つ総合開会式となった。

宣誓の内容は「スポーツに向けた真っ直ぐな思いと勝利に向けた私たちの燃ゆる思いをここ佐賀の大地に吹く風に変えて正々堂々力の限り競技することを誓います。」万雷の拍手の下、インターハイの幕は切って落とされた。

団体戦

男子ベスト8は次の学校。

浦和学院(埼玉)・東京学館浦安(千葉)・松商学園(長野)・長尾谷(大阪)・柳川(福岡)・東海大菅生(東京)・札幌藻岩(北海道)・湘南工大附(神奈川)
関東4校、北海道1校、北信越1校、近畿1校、九州1校という結果となり、関東勢の躍進が目立つ大会となった。

地元期待の第1シード龍谷は、浦和学院の思い切りの良いプレーの前に涙をのんだ。地元で優勝すること、重圧に耐えることの難しさを今年のインターハイも思い知らされる結果となった。千葉インターハイに続いての出来事に、地元第1シードには魔物が住んでいるのではないかとふと思わざるを得なかった。
台風の目となった浦和学院と第4シード長尾谷との準決勝は、シングル1のファイナルセット、タイブレークにまでもつれる大接戦となったが、長尾克己(長尾谷)の執念が勝った。長尾は勝利が決定した直後に病院に運ばれるという大激戦であった。

もう一つの準決勝3シード柳川と第2シード湘南工大戦はダブルスの立ち上がりが勝敗の行方を大きく左右した。シングルス1の柳川片山と湘南工大守屋のエース対決は片山の完勝に終わったが、湘南工大ダブルスの井上・只木組は抜群のコンビネーションで柳川高校を押し切った。

長尾谷と湘南工大付属の決勝戦は、35度を超える炎天の下3面展開で開始された。最初に勝負が決したのはダブルス。常に先手を取った湘南工大が6-26-2で快勝し、シングルスの戦いを楽にした。シングルス1・2とも一進一退の息詰まる攻防を繰り広げたが、先勝したのはシングルス2。湘南工大渡辺は1回戦から安定した実力を発揮し、優勝の陰の立て役者として存在感があった。優勝決定直後にシングルスNO1の長尾谷奥がファイナルセットで守屋を破り、意地を見せた。
松商学園と札幌藻岩は地域の代表校として勝ち上がり、その健闘は大会を大いに盛り上げた。

女子ベスト8は次の学校。

長尾谷(大阪)・藤代(茨城)・椙山女学園(愛知)・柳川(福岡)・仁愛女子(福井)・宮崎商業(宮崎)・富士見丘(東京)・園田学園(兵庫)
近畿2校、関東2校、九州2校、北信越1校、東海1校となり、地域の分散化が顕著となったが、シード校早稲田実業を破ってベスト8に進出した藤代高校の活躍は見事であった。

第1シード長尾谷と第5シード椙山女学園の準決勝は経験豊富な長尾谷のダブルスが先勝して流れを引き寄せたが、シングルス2椙山女学園1年生井上雅が実力を発揮してタイに持ち込んだ。勝敗の行方はシングルス1小城と田中のエース対決に持ち込まれた。ファーストセットは田中が切れの良いショットをコーナーに決め6-4で取ったが、徐々に小城のペースとなりセカンド6-4、ファイナルセットは6-1で決勝進出を決めた。

第3シード仁愛女子と第2シード園田学園を破って波に乗る富士見丘との準決勝は、仁愛女子シングルス2井上(晴)が粘り強いプレーを展開して6-1 6-2で先勝した。しかし、ダブルスは富士見丘滝村・関組が仁愛女子を圧倒して逆に6-2 6-1で取り、勝敗の行方はシングルス1にゆだねられた。富士見丘大竹と仁愛女子井上(愛)との対戦は、大竹の強気の攻めの姿勢が功を奏してファーストは6-0という一方的なスコアとなった。セカンドセットに入り井上が食い下がりマッチポイントを何度も逃れたが最後には3-6で力尽きた。仁愛の最後まで勝利をあきらめない粘り強いプレーは、今年も健在であった。

決勝戦は長尾谷と富士見丘。序盤戦から長尾谷がリードを保つ展開となった。ダブルスは経験豊富な長谷川・高畑組がこの間快調に勝ち進んできた滝村・関組にファーストセットを7-5で競り勝ち、その勢いでセカンドセットも6-1で快勝した。シングル2の長尾谷本間と富士見丘権頭との試合は、安定感で勝る本間が粘る権頭を振り切った。ほぼ同時にシングルス1の長尾谷小城は富士見丘大竹に対して確実でミスの少ないプレーを展開し、6-2 7-5というスコアーで勝利した。長尾谷は2年連続2回目の優勝の栄冠を勝ち取った。

個人戦・シングルス

男子シングルスベスト8は次の選手。

片山 翔(柳川)・長谷川祐一(名古屋)・伊藤 潤(龍谷)・奥 大賢(長尾谷)・井上悠冴(湘南工大)・笹井正樹(浦和学院)・廣田耕作(龍谷)・鵜飼元一(恵那農)
九州3名、関東2名、東海2名、近畿1名という結果となり、地元期待の龍谷高校2選手の活躍は新聞にも大きく取り上げられ会場を沸かせた。
 
優勝したのは大本命の片山 翔。2連覇が決まった瞬間、両手を大きく突き上げた。連覇は同校の先輩二本松一以来、27年振りになる。決勝戦の相手井上悠冴(湘南工大)は、ノーシードながら安定したストロークを武器に接戦をことごとくものにして勝ち進んできた。地道な努力が3年生になって花開いた選手である。
決勝は、片山の強烈なフォアハンドとサーブが要所要所に炸裂し、井上に付けいる隙を与えなかった。この夏、片山はUSオープンジュニアに挑戦する。新しいステージでの片山の活躍を期待したい。

地元の大応援団の声援を力に準決勝に進出した伊藤 潤(龍谷)は、俊敏なフットワークと思い切りの良いテニスで片山を苦しめたが、最後は片山の地力に力尽きた。男子シングルスの台風の目となり、話題を独占したのは鵜飼元一(恵那農)。独特なテニススタイルであるが、強烈なサーブと時折交えるフォアのスライス等頭脳的なプレーで見事にベスト4に進出した。

女子シングルスのベスト8は次の選手。

小城千菜美(長尾谷)・伊藤絵美子(日大三島)・荒木史織(宮崎商業)・井上 雅(椙山女学園)・奈良くるみ(大阪産大附)・川崎好美(樟蔭東)・古賀 愛(駿台甲英)・田中優季(椙山女学園)

近畿4名、東海3名、九州1名。近畿の実力と東海の躍進が目立つ結果となった。特に準々決勝はまれにみる迫力のある高レベルのゲームが目白押しであり、高校テニス界最高峰の闘いに会場は熱気に包まれた。

優勝は奈良くるみ(大阪産大附)。1年生女王の誕生である。 

センターコートで行われた選抜シングルスの覇者小城千菜美(長尾谷)との決勝戦にはスタンドを埋める観客がその熱戦を注視した。灼熱の太陽の下、繰り広げられる一球・一球に意味があるラリーの応酬は見る人すべてを魅了した。結果は、常に主導権を握った奈良が6-3 6-3の快勝。小城は王者のプライドを賭けて最後まであきらめない鋭いショットを随所に放ったが、奈良の要所を締めるサーブとテンポの速い展開力が光った。特に、ここぞという時の集中力は、日本テニス界の新たなスター誕生を実感させるのに十分であった。

3年生の夏、優勝を目指した実力者田中優季(椙山女学園)は奈良の前に一歩及ばなかったが、その切れの良いショットとテニスに対するひたむきな姿勢は将来実を結ぶ時が必ず来るであろうと感じさせた。荒木史織(宮崎商業)は、両手打ちから繰り出す高い打点からのフォアハンドと気迫溢れるプレーでベスト4に進出したのは見事であった。

個人戦・ダブルス

男子ダブルスベスト4は次の選手。

奥 大賢・長尾克己(長尾谷)・片山 翔・西 優馬(柳川)・江原弘泰・川崎 光(秀明英光)伊藤 潤・廣田耕作(龍谷)
九州2組、関東1組、近畿1組である。地元九州の優勝に対する期待がいやがうえにも盛りあがった。

栄冠を勝ち取ったのは江原弘泰・川崎 光(秀明英光)の1年生ペア。ノーシードから全国の強豪を次々と破る快進撃であり、「目標は1回戦突破だった。すごくうれしい。」という江原の言葉がすべてを物語っている。

決勝戦では、単復の2冠を狙った片山 翔と西 優馬(柳川)を伸び伸びとしたプレーで6-2 6-1と圧勝した。次年度のインターハイを控える埼玉県にとっては、大いに勢いを与える朗報となった。

優勝候補の筆頭であった伊藤 潤・廣田耕作(龍谷)は、準決勝で追いつ追われつの大接戦を演じたが、最後は江原弘泰・川崎 光(秀明英光)の思い切りの良いストロークに戸惑い、最後まで自らのペースをつかめなかったのは残念であった。同じく第1シード奥 大賢・長尾克己(長尾谷)は、片山・西のパワーの前に本来の実力を発揮できなかった感があった。

女子ダブルスベスト4は次の通り。

小城千菜美 高畑寿弥(長尾谷)・奈良くるみ 國瀬 舞(大阪産大附)・前田千夏 重藤真知子(筑陽学園)・鍋谷昌栄 内仲 葵(園田学園) 
近畿3組、九州1組であり、今年も近畿のダブルスは強く洗練されていた。

初優勝の栄冠に輝いたのは小城千菜美 高畑寿弥(長尾谷)。小城の深く正確なストロークと巧みなロブ、高畑の角度のあるボレーと強烈なスマッシュという絶妙のコンビネーションは他のペアから一歩抜きん出ていた。決勝の相手、第2シード鍋谷昌栄 内仲 葵(園田学園)は、良く鍛えられた力強いダブルスで危なげなく決勝まで歩を進めたがファイナリストに甘んじる結果となった。前田千夏 重藤真知子(筑陽学園)の攻撃的なテニスは魅力的であったし、奈良くるみ 國瀬 舞(大阪産大附)の溌剌とした躍動感はダブルスの楽しさを味合わせてくれた。
 

おわりに

「庭球は、試合中に『やりなおし』が何回もでき、『失敗を自分の体験として、生かすことができる』スポーツである。自分の体力と気力と技術を通じ自分の失敗を乗り越えベストを尽くすのが庭球である。燃ゆる闘志を沈黙のうちに秘め、黙々と考え創造しながらボールに執念を燃やすのが庭球ではなかろうか。」これは、初代高体連庭球部長長谷川寛治先生の言葉である。

確かに、今年の「2007青春・佐賀総体」においても数多くの名勝負が展開された。と同時に、一見すると一方的な試合も少なくなかった。しかし、例えスコアが8-0であったとしても、その8ゲームには選手の青春のすべてが凝縮されていると言っても過言ではなく、その一球は失敗を乗り越えベストを尽くす、執念の一球であったに違いない。改めて長谷川先生の言葉を噛みしめながら私にとって最後のインターハイになる選手達のプレーに酔いしれた。

今、このレポートを終えるにあたって私の瞼に浮かんでくるシーンは、もちろん表彰式で有田焼のメダルを首にした選手達の眩しいばかりの笑顔と勝利の瞬間のガッツポーズであるが、それに優るとも劣らず輝いていたのは、濃紺のTシャツにオレンジのバンダナ姿の補助員・審判の生徒達の機敏な動作と必死の形相のコールであったりするのである。佐賀県のテニス部加盟校数は男女それぞれ25校であり全国的にも少数の方となる。しかし、短期間によくぞこれまでと唸らざるを得ないほど素晴らしいインターハイであった。

台風5号は「うさぎ」という可愛らしい名を持っていたが、テニス会場を容赦なく蹂躙した。こうこうと輝く照明の下、水取をする度に信じられない雨量の豪雨が襲いかかった。「これが最後」と言って梶原専門委員長(レフェリー)を先頭に水取をした光景を忘れることはできない。佐賀県高体連テニス部の絆の強さを示す象徴的なシーンであった。

早朝、佐賀城のお堀の周りを散歩していると県鳥「カチガラス」のつがいが巣を作っていた。鬱そうとした巨大な楠の梢ではくま蝉が大合唱を始めていた。私にとって最後のインターハイが「青春・佐賀総体」であったという幸運に感謝しながら、有田焼の白磁に赤の盃に冷酒を注いでいるのである。

[リンクについて] [JTA公式バナーについて] [個人情報保護方針]
COPYRIGHT(C) 2000 -2007 ALL RIGHTS RESERVED BY JAPAN TENNIS ASSOCIATION SINCE OCT. 2000
本サイトで使用している画像・テキスト・データ等すべてにおいて無断転載、使用を禁じます。本サイトはスポーツ振興くじの助成を受けて作成しています。
財団法人日本テニス協会 〒150-8050 東京都渋谷区神南1-1-1 岸記念体育会館 Phone:03-3481-2321  E-mail mail@jta-tennis.or.jp