全国高等学校体育連盟テニス部
副部長 沢野唯志
「輝きを胸に 夢をその手に 房総の夏」をキャッチフレーズに2005千葉きらめき総体が、8月1日から8日の日程で県立柏の葉公園庭球場、柏市柏の葉庭球場富勢運動公園庭球場の三会場を舞台に開催された。連日35度を超える灼熱の太陽のもと、まさに熱い戦いが展開され、多くの感動的なドラマが今年も生まれた。
特に個人の部は今年で95回を迎え、高校スポーツ界では、最も長い歴史を誇る大会となっている。日本を代表する選手の殆どすべてがインターハイをステップにして世界へと羽ばたいており、高校生が最大の目標としている大会と言うことができる。今年の参加校は5.924校、参加人数は122.997名であり、高体連加盟種目では、バスケット・サッカーに次ぐ3番目の参加人数となっている。
開会式
アトラクションは、全国にその名を知られる市立柏高校吹奏楽部による、ステージであった。その圧倒的な迫力と統制美に会場は感動の渦に巻き込まれた。
開会式に先立ち突然の訃報の報告があった。堀越高校吉岡祐一選手が大会直前の27日練習中に倒れ、30日に還らぬ人となったのである。開会式に参加したすべての人が黙祷を捧げた。ここにあらためて吉岡君のご冥福を心からお祈りしたい。
地元を代表して柏市長からは、スポーツと文化と活力の町へようこそという心温まる歓迎の言葉をいただいた。
盛田日本テニス協会会長祝辞のなかで、参加選手に激励され健闘を祝した後の次の言葉が印象に残っている。「行き過ぎたガッツポーズやカモンと叫ぶのは止めよう。相手を威嚇するのではなく、自分自身を鼓舞しながらプレーをしよう。」
団体戦
ベスト8進出校はつぎの通り。
男子が鳳凰(鹿児島)名古屋(愛知)東海大菅生(東京)柳川(福岡)長尾谷(大阪)明石城西(兵庫)龍谷(佐賀)湘南工大附(神奈川)
女子が仁愛女子(福井)岡山学芸館(岡山)堀越(東京)札幌日大(北海道)共栄学園(東京)椙山女学園(愛知)園田学園(兵庫)長尾谷(大阪)
インターハイを制したのは男子が柳川(2年連続、23回目)女子が仁愛女子(初優勝)であった。
柳川は、選抜でベスト4に終わった屈辱を力に変えて、優勝旗を奪回した。準々決勝・準決勝・決勝ともに大接戦という苦しい戦いを強いられたが、最後は伝統の強さに支えられて栄冠を手にした。決勝に進出したのは創部2年目の長尾谷。若さと勢いで快進撃を遂げたが、最後に力尽きた。名古屋はノーシードながら強豪校の力を大舞台で発揮し、柳川と互角の戦いをしたのは見事であった。選抜優勝校の湘南工大附は、長尾谷にダブルスとシングルス2を先に取られ、エース杉田の結果を待たずに、涙をのんだ。第1シード東京学館浦安(千葉)は、地元の期待を一身に受けての登場であったが、初戦で鳳凰の思い切りの良いプレーに屈したのは残念であった。
女子優勝の仁愛女子は、春夏連覇の偉業を達成した。春(選抜)は5ポイントで選手層の厚さが要求されるが、夏(インターハイ)は3ポイントでエースの存在が必要となる。男子同様、準々決勝からはすべて苦しい戦いであったが、総合力で耐えて優勝した。絶対的な自信を持つダブルスがよもやの敗戦を喫したときには、シングルスがその劣性をカバーした。特に、シングルス2の菅村キャプテンの鬼気迫る頑張りが優勝の原動力であった。決勝に進出したのは前年度優勝の共栄学園。川村・前澤の2枚看板で勝ち進んだ。決勝はすべてファイナルまでもつれ込む大接戦となったが、最後に川村が仁愛・品田に6-4、4-6、4-6で力尽き、2連覇は成らなかった。堀越は喪章を腕にベスト4に進出し、仁愛女子を後一歩まで追いつめた。長尾谷は準決勝で共栄学園にダブルスを先制したが、シングルスの力が及ばなかった。
男女とも実力が伯仲して1回戦から好試合が展開された。暑さとの戦いという側面もあり、心・技・体の充実したチームが頂点に立ったといえる。
シングルス
ベスト8は次の通り。
男子は、仁木拓人(竹園)小ノ澤 新(東海大菅生)鷹觜遼平(東海大菅生)片山 翔(柳川)伊藤竜馬(長尾谷)安 栽亨(柳川)佐野紘一(明石城西)杉田祐一(湘南工大附)
女子は、川村美夏(共栄学園)上島菜穂子(国際)長谷川晃子(長尾谷)福井恵実(柳川)前澤かおる(共栄学園)的場裕加(長尾谷)品田祐希(仁愛女子)伊藤絵美子(日大三島)
男子は、ショットと動きのスピードに優る杉田祐一が傑出した力を発揮して優勝した。攻撃的なテニスは魅力的であり、豊かな将来性を予感させた。準優勝の小ノ澤 新は、サウスポーからの強力なサーブ力を武器に決勝まで進出した。ベスト4は安 栽亨と片山 翔の柳川勢。特に片山は1年生であり、団体戦・個人戦を通じて急速に力をつけた注目すべき選手である。
女子の伊藤絵美子はノーシードからの優勝であった。素早い動きと高い打点で攻めの姿勢を貫いて頂点に立った。今大会での優勝をステップにして、今後の飛躍を期待したい選手である。福井恵実は、高校最後のインターハイに賭ける意気込みが決勝進出の原動力となった。サウスポーからの強力なストロークと巧みな試合運びが特徴である。ベスト4は川村美夏と的場裕加。
ダブルス
ベスト4は次の通り。
男子は、池野・小野(湘南工大附)富崎・伊集(龍谷)佐野・澁谷(明石城西)海野・海野(静岡)
女子は、濱崎・高畑(長尾谷)菅村・恒松(仁愛女子)上村・濱崎(和歌山東)藤井・田中(椙山女学園)
男子ダブルスで昨年に続き2連覇を遂げたのは、池野・小野組。苦しい戦いの連続であったが、昨年優勝の経験と自信が最後にものをいった。佐野・澁谷組は抜群の安定感とコンビネーションで試合巧者振りを発揮したが一歩及ばなかった。
女子で栄冠を勝ち取ったのは藤井・田中組。ノーシードながら、落ち着いた試合運びで接戦をものにして波に乗った。3年生藤井選手のリードで1年生田中が伸び伸びとプレーし、名門椙山女学園が復活した。濱崎・高畑組は、多彩な攻撃パターンを駆使して常に主導権を握ったが、準優勝に終わった。
終わりに
インターハイでは、選手たちの活躍に注目が集中するが、選手以外にもたくさんの高校生が参加し競技や運営の補助をしている。これが「高校生一人一役活動」であり、インターハイの素晴らしき伝統となっている。大会中はもちろん、大会期間以外でも、啓発イベント、草花の栽培や会場の清掃活動等、影で支えてくれた高校生の存在を忘れてはならない。
特筆すべきは、地元千葉県の補助員・審判員の高校生のきびきびとした行動であった。会場には、朝早くから元気の良い挨拶が交わされ、コートでは審判の大きな声が響きわたった。揃いのブルーのTシャツは、太陽のもとにきらめき、柏の青空に見事に映えていた。また、3会場とも連日の大観衆で大いに盛り上がり、地元の幼稚園・保育園児が制作した各都道府県の特徴を描いた歓迎の幟は色彩豊かに翻っていた。
今大会は情報提供の速さと的確さにも注目が集まった。試合経過と結果が、ライブカメラ・ライブスコアボードによって、リアルタイムで提供され、携帯電話で見ることが出来るようになり、大好評であった。
最後になりましたが、気配りの行き届いた大会を演出していただきました本多市長を始めとする柏市実行委員会の皆様、三浦部長・佐藤専門委員長を中心に見事な大会運営をされました千葉県高等学校体育連盟テニス部のみなさん、開会式、表彰式に参加していただき、ご挨拶を賜りました日本テニス協会盛田会長・渡辺専務理事・小浦ゼネラルマネージャーに心より感謝申し上げます。
スコアや情報は、全国高体連テニス部公認サイトでご覧下さい。
http://koko-tennis.com/
※レポートは8月9日配信のメールマガジン【TENNIS FAN】で速報したものです。