[車いすテニス女子ダブルス決勝]
○上地結衣/マリヨレン・バウス(オランダ) 6-0,6-4 ●ディーデ・デフロート(オランダ)/アニク・ファンクート(オランダ)
■スコア以上の接戦だった。第1セットはノーアドバンテージ方式のデュースにもつれるゲームが多く、一つ間違えばまったく違うスコアになっていた可能性もある。40本以上のロングラリーも何度かあり、むしろ上地組が接戦を制したという印象が強い。試合後、テレビ局が行ったコート上のインタビューで、上地は「バウス選手に助けられた場面も多く、対戦相手(のミス)にも助けられた」と話した。互いの実力や得意不得意も知り尽くしている選手同士の対戦とあって、どうしてもバウスにボールを集められる。そこでバウスが頑張ったことが勝因の一つであることは間違いない。
■バウスについて「すべてのボールを、どんな体勢でも返してくれる。バックハンドでは速いボールも打てる。自分がゲームメークするにはやりやすいパートナー」と上地。ペアを組む機会が最も多く、全豪でも二人で2度頂点に立ったジョーダン・ホワイリー(英国)とはコート外でも仲がよく、「組むのが楽しい」相手だが、バウスには「彼女とは勝てるプレーができる」と信頼を寄せる。
■表彰式のあと、優勝者の名前が刻まれた優勝カップをまじまじと見ていた上地。「4回も優勝してたんだな」と感慨深げだった。車いすテニスの女子ダブルスはかつて、オランダ勢がタイトルをほぼ独占してきたが、その壁を破り、今は上地がその中心にいる。
(広報委員会)