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日本テニス協会ドーピングコントロール委員会
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| 横浜国立大学教授 |
蝶間林 利男
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| 聖マリアンナ医科大学教授 |
別府 諸兄
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| 助川クリニック院長 |
助川 卓行
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過去の連載でも述べてきたように、スポーツにおいてアンチドーピングの問題は、国内のみならず世界のスポーツ界全体で取り組まなくてはならない問題となっています。オリンピック大会、アジア大会などの国際総合競技大会や、各競技別の世界選手権大会などの国際的な競技会におけるドーピング違反は、後を絶たないのが現状です。
●海外におけるドーピングの検査
テニス界においても、もちろん海外では、国際テニス連盟(ITF)が1998年度に約1000件の検査を実施しています。過去にはビランデルやバチェック選手、最近ではコルダ選手のドーピングの問題がありました。グランドスラム大会では無作為の検査のほか、ベスト8に勝ち進んだ選手にドーピングの検査を義務付けています。ピート・サンプラス選手は同年に8回もの検査を受け、パスしています。検査を受けることは自分の身の潔白を証明することにもなりますが、プレーに責任を持つのと同じようにテニスに取り組む行為にも責任を持つということです。しかしながら何とかドーピング検査の目をかいくぐって、少しでも自分の能力を高めようと薬物使用に走る選手がなくならないのも事実です。スポーッの勝利が栄誉にとどまらず、お金や自身の晴れがましい将来に直結するという現実は、その一方で選手たちの体や心をむしばんできました。競技力向上のためには、筋肉増強剤や検出が難しいとされるヒト成長ホルモン、さらには血液を増加させる機能を持つエリスロポイテン製剤(EPO)などの禁止薬物を使用するドーピングが蔓延してきたのです。もちろんドーピング検査で薬物の使用が発覚すれば、選手生命を絶たれることになります。それでも不正に手を染める選手たちがいることは、スポーッ界における経済的報酬の拡大が自身の健康やモラルの価値観より超えたところにあるからです。オリンピックの大会でもそうですが、華やかさを増してきたスポーッ界の舞台裏ではドーピングの検査による摘発と、選手のドーピング隠しという"イタチゴッコ"が繰り返されています。違反薬物の痕跡を隠すために、別の薬物(利尿剤など)を使用することもあります。また、シドニー・オリンピック大会ではオーストラリア入国後、ただちに抜き打ちで任意に選んだ200〜400人という多勢の選手たちの検査を行うことや、大会約2週間前からオーストラリア各地で合宿を行っている選手たちをターゲットにした広範囲の抜き打ちドーピング検査を行うことを表明しています。すなわち選手の中に大会直前に薬物使用の痕跡を隠す操作をする可能性があるためとしています。日本を含む22カ国の政府代表が参加し、シドニーで「スポーツと薬物国際会議」が11月16日に開催されました。この会議では国際オリンピック委員会(IOC)が主導する「世界反ドーピング機関(WADA)」とは別に、各国政府の間でドーピング問題の合意形成を目指す国際運営委員会」が設置されました。各国の政府の意見を調整し、一つの案にまとめる独自の機構を持つことで事実上、IOCによるWADA主導を阻む狙いがあります(平成11年11月17日付読売新聞)。このようにドーピングの問題は、IOCや各競技連盟(IF)との意見の調整を残しているものの、確実に前進をしています。一方、わが国のテニス界ではどうなっているのでしょうか。
●日本におけるドーピング検査
テニス界におけるアンチドーピングの取り組みは、7〜8年前より始まっていましたが、本格的に活動を開始したのは平成8年度からです。平成10年にドーピング対策本部が南専務理事のもとに設置され、この中でドーピング・コントロール委員会とドーピンク判定委員会が活動し始めました。そして同年11月の全日本テニス選手権、大会(有明)期間中にドーピング検査が初めて行われました。男女4種目ずつ計8名の選手のうち1名に禁止薬物である「エフェドリン」が検出さ才し陽性となりました。陽性となった選手は風邪を引き、不注意で市販薬を服用したものでした。ドーピング判定委員会は規約により"警告"措置を決定し、最終的には常務理事会を経て"警告"だけの処分で済みました。平成11年度も前年と同じように全日本テニス選手獄会中に検査を行いましたが、いずれの選手にも異常は認められませんでした。大会前あるいは期間中に服用した薬を申告する医事申告書・自己申告書を提出した選手の中には幸か不幸か今回の検査の対象にはなりませんでしたが、禁止薬物を含む風邪薬やドリンク剤を知らずに使用していた選手がいました。気軽な気持ちでの市販薬の服用や、栄養補助食品やドリンク剤の使用には十分に気をつけてほしいものです。アンチドーピングの知識はスポーッにかかわるすべてのものにとって、そのルールを理解するのと同じようにスポーツの知識として身に付けなければならないものなのです。
●アンチドーピングカードのお知らせ
ドーピング・コントロール委員会ではITFが作成したアンチドーピングプログラムのカードを翻訳しました。このカードでは禁止薬物の一覧をはじめ、その罰則についてコンパクトにまとめています。4つに折り畳んで常に携帯し、治療が必要なときに医師に提示してください。無料で配布しています。
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